タウンワークは、日本全国で主にアルバイトの求人情報を提供する有名な求人媒体です。
フリーペーパーとWEBサイトの両方の形態があり、多くの人に利用されています。
しかし、近年”面接に来ない応募者”や”連絡がない応募者”が増加しており、それがサクラであるという疑念が広がっています。
本記事では、タウンワークのアルバイト求人広告におけるサクラの存在が疑われる背景と、その影響について詳しく探ります。
サクラ疑惑が生まれる理由
近年疑われている”タウンワークにはサクラがいる”問題。
どのような背景があるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。
本当にいる? タウンワークにおける「サクラ」の存在
では、タウンワークにおいてサクラの応募者は本当に存在するのか? について考えていきます。
まず、「サクラ」とは何かを定義しましょう。
サクラとは、イベント主催者や販売店に雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面やイベント全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を偽装したりする者を指す隠語。当て字で偽客とも書く。
引用元:wikipedia
タウンワークで「サクラ」が使われるとしたら、その理由は下記が考えられます。
- 「応募1件につき〇円の成果報酬」等で収益を上げている求人広告会社が、サクラを使ってクライアントの求人へ応募が来たように偽装することで、自社の利益を上げるため
- 「タウンワークに掲載するとたくさん応募が来る」と印象づけるために、タウンワーク側がサクラを使って応募させている
しかし、本当にサクラの応募者を送り込むことで、彼らの利益は上がるのでしょうか?
結論から言うと、タウンワークでサクラを使うメリットはないでしょう。
なぜかというと、理由は3つあります。
- サクラがいると思われてしまうことで、タウンワークの信用が落ちるから
- タウンワークは掲載課金であり、応募数や採用数が増えてもタウンワークの売上にならないから
- そもそも求人数が何万件もあるのに、そんなことに労力を使っていられないから
今の世の中、有効求人倍率が高く、採用したくても人が来ないことは大いにあります。
採用活動を行っている企業にとっては、応募者は多いほうがもちろんいいのですが、タウンワークや求人広告会社が目指しているのは”企業に合った人材を届けられるかどうか”。
応募数が増えるだけで応募者と連絡がつながらないという状況は、タウンワークや求人広告会社が求めていることではありません。
「面接に来ない」「連絡がない」といったトラブルは、サクラではなく、求職者または企業側の問題である可能性が高いでしょう。
日本でのシェアトップレベルを誇る”タウンワーク”
タウンワークが発足したのは1997年の春。
街のすみずみに仕事情報を届けたいとの思いから、アルバイト・パート情報を掲載したフリーペーパー求人を創刊することとなり、1998年11月に千葉版、町田・相模原版の2版で10万部を発行しました。
その後2018年に20周年を迎えたタウンワークは、全国104版、求人掲載件数は毎週約90万件と膨大な情報量を持ち、2023年時点のタウンワークサイトユーザー数は1,317万人と全国で多くの人に愛される求人媒体であることが分かります。
参考:https://www.recruit.co.jp/employment/mid-career/projectstory/townwork/
https://hr-hacker.com/top/blog/makimasumedia/
ユーザー数も掲載企業も多いタウンワークだから起こること
これだけのユーザー数と掲載企業に支えられているタウンワークでは、かなりの数の採用に関するやり取りが行なわれることから、さまざまな利用者が存在するのは言うまでもありません。
求人媒体としては、これだけ大きなメディアだと、ユーザーとしても求人を掲載したい企業としてもメリットが大きいように思いますが、反面それによる弊害も発生します。
その代表例が”面接に来ない応募者”や”連絡がない応募者”の発生です。
タウンワークは有名な媒体なだけに、とりあえず登録して応募する人や、複数の企業へ応募して「やっぱりやめよう」と考える人も一定数存在します。
その割合は他社の求人媒体に比べてそれほど多くなくても、人数で考えると膨大な人数で感じてしまうために「タウンワークにはサクラがいるのでは」という錯覚に陥るのではないかと考えられます。
タウンワークのフリーペーパーとネット求人の違い
タウンワークには、前述の通りフリーペーパー版とWebサイト版が存在します。
それぞれの特徴を整理して、どの媒体であれば「面接に来ない」「連絡がつかない」と採用担当者が悩むのを防ぐことができるのかについて考えていきます。
ネット求人の利用層
ネット求人のメリットは、情報の更新が迅速であり、全国から応募者を募ることができる点です。
また、応募が簡単であるため、多くの応募が期待できます。
しかし、応募のハードルが低く多くの応募が期待できる反面、面接に来ない応募者や連絡がない応募者が増加する傾向があります。
この特徴は、タウンワークに限ったことではありません。
タウンワークのみに絞って特徴を挙げるとすると、テレビCMも頻繁に行っているタウンワークだからこそ、対象の年齢層が幅広く、学生のアルバイトや主婦のパート、定年退職後の仕事選びにと、さまざまな用途で利用されているようです。
それほど幅広い層の支持があるが故、求職活動に積極的でない層も利用しやすいと言えます。
フリーペーパー求人の利用層
フリーペーパー求人のメリットは、地元の応募者にリーチしやすい点です。
また、紙媒体であることで、インターネットに不慣れな層にもアプローチできます。
しかし、情報の更新が遅れるため、最新の求人情報を提供するのが難しいというデメリットがあります。
この特徴もタウンワークに限ったことではありませんが、フリーペーパー型の求人情報を全国展開している会社は現在では数少なく、特にタウンワークのフリーペーパー求人誌に掲載している企業数は、どの地域をとっても他社より多いです。
タウンワークでカバーできない層としては、新聞折込チラシ型の求人誌や、各戸配布型の求人誌を中心に見ている求職者です。
タウンワークは駅やコンビニなどに設置されていることが多く、そのフリーペーパーを入手しないことには、求人の応募に繋がりません。
しかし、応募手法はほとんどの場合電話で行うことが多く「ネット求人は手軽にいくつも応募できるし楽だなあ」と感じるような求職者よりも志望度が高い場合が多く、「連絡がつかない」などのトラブルは比較的少ないと考えられます。
地方の求人事情
地方に存在する企業の採用活動は困難を極めやすく、採用活動に悩んでいる企業が多く存在します。
タウンワークの強みは、全国に訴求できるネット求人と、地方ごとに訴求できるフリーペーパー求人の両方が強いこと。
どのような訴求ができるのか、詳しく見ていきましょう。
地方での求人募集ターゲット
地方の求人は、都市部と比べて応募者の数自体が少ないため、一人一人の応募が非常に重要です。
そのため、できる限り志望度が高かったり、求職活動に積極的な求職者を集めたいと考えている企業は多いです。
その場合、採用ターゲットを明確に設定しておくことが、より採用活動を進めるのに効果的であると考えられます。
例えば、働く場所が車通勤可能な場所であれば、主婦や定年退職された人を中心ターゲットにしたり、地方であっても駅から近い場所であれば、若者や小さな子どもがいるような女性をターゲットにしてもいいでしょう。
そのターゲットに合わせて使用する媒体を検討し、ネット求人を使うほうが集まりやすいのか、それともフリーペーパー求人を使うほうがいいのかを判断するのが好ましいです。
どんな訴求方法ができる?
以下に、要点をまとめてみました。
- ネット求人:若者、主婦、フリーターなどネットを利用することが多い層
- フリーペーパー求人:主婦、定年退職した人、フリーターなど
- 自社チラシ:主婦、小さい子持ちのママさんなど、近所で働いてくれる人
これは一例ですが、ネット求人を利用するのであれば、タウンワークに限らず、ターゲットに合った求人サイトを選んで掲載するのが効果的です。
フリーペーパー求人であれば、そのターゲットが新聞を読むのか、駅などのフリーペーパーを読むのかを想像して訴求すると良いでしょう。
また、自社の求人サイトを作成し、そのリンクをQRコードなどで読み込ませる形のチラシを用意するという方法もあります。
特に地方では、ネットよりもチラシのほうが訴求力が高い場合があります。
近所で働きたい人を探したい場合は、このようなエリアマーケティングを用いたチラシでの求人募集も、求職活動に積極的な求職者を集めるのには効果的です。
バックレにはどのような対策ができる?
それでは、応募者にバックレられないためにできる対策について考えていきます。
考えられる対策は、以下の通りです。
- 応募者へこまめに連絡するようにする
- 面接後のフォローもしっかり行う
- 自社の採用サイトで募集をかける
応募者へこまめに連絡するようにする
面接希望の方から応募があったり連絡があったら、必ずできるだけ早く対応しましょう。
その後、相手が返信しやすい内容で複数回連絡をすることをおすすめします。
面接希望日を決定するだけでなく、面接までに必要な資料があるか、できることなら応募理由や自己PRなどを少しでも聞けるような質問をしておくと、面接をする前にある程度応募者について知ることができます。
面接後のフォローもしっかり行う
面接後は、必ず「どのくらいで結果が出るか」を伝えましょう。
面接時に口頭で伝えるだけでも悪くはありませんが、確認のためにメールなどでも送っておくと、求職者からの信頼度も上がります。
また、可能であれば「結果が出るまでにどのようなことをしてもらうか」も伝えておくのをおすすめします。
内容としては、自社のコーポレートサイトやSNSでどこを見てほしいかを伝えておくなど、自社の魅力が伝えられるようなことをしておくと、求職者が入社後のイメージをしやすくなり、バックレを防ぎやすくなります。
また、面接で合格した応募者には、しっかりとフォローの連絡を入れ「入社されるのを楽しみにしています!」と連絡をしておくとより良いでしょう。
自社の求人サイトで募集をかける
これは応募を増やしたい企業より、応募数を減らしても応募者をふるいにかけて質を上げる方法ですが、応募する際の条件など(必要資料や簡単なエントリーシートのようなもの)を設定して募集をかけ、応募のハードルを上げておくのも一つの手です。
そのような機能の付いた求人サイトを利用するのも手ですが、人材紹介会社や人材派遣会社など、保有している求人数が多い場合は、自社の求人サイトを立ち上げて一括で管理できるようにすることもおすすめです。
弊社では、人材紹介・人材派遣会社さま向けに、求人サイトの構築を承っています。
人材業界で100社以上の支援実績があり、より多くの求職者募集のためにお力添えできると思いますので、お気軽にご相談ください!
まとめ
タウンワークでのサクラ応募者疑惑について見ていきながら、どのように求人の訴求の仕方をすればいいのかについて考察していきました。
特に地方ではなかなか求職者に選ばれないといった企業側の悩みが多く、そんな中で応募者の連絡が途絶えたり、面接に来ないといった事象があると、たまったものではないですよね。
求職者を集めるには、あえて「広く浅く、誰でも歓迎」とするのではなく、しっかりとターゲットを考えたうえで、ターゲットに刺さるような訴求をするのが効果的です。
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