ディープテック補助金とは?補助額や申請方法も解説!
目次
ディープテック補助金とは?
ディープテック補助金とは、特定の自然科学分野の研究で得られた、科学的な発見に基づく技術を、継続維持出来るように支える補助金です。
ディープテック領域では研究の成果に時間がかかり、不確実性が高い、多額の資金が必要、既存のビジネスモデルを適応できないと言った問題点があります。
その難点を補助金を使って取り除き、支援するシステムです。
シード期(実用化研究開発)
「実用化研究開発支援」事業です。
試作品の開発や、他社等との共同研究開発を実施するとともに、研究開発の成果を活用したF/S調査(新規事業などのプロジェクトの、事業化の可能性を調査すること)の実施、生産技術開発等を支援します。
アーリー期(実用化研究開発)・量産化実証
「量産化実証支援」事業です。
量産化実証に向けた生産設備・検査設備等の、設計・製作・購入・導入・運用費用(安定的に稼働するまでの試運転や製品評価に係る諸費用を含む)や、これらの設備等を設置する建屋の設計・工事費用を支援します。
シード期・アーリー期の事業を一気通貫で行う「一気通貫支援」や、相手国・政府機関等との協力の下で行う海外展開のための「国際共同研究開発事業」、海外の市場・規制等に適合するための研究開発や調査費用、現地での技術サービス拠点の設置費用、現地での製品・サービス実証に要する費用等の一連の海外展開事業を支援する「海外技術実証」も実施されます。
事業性の担保のためVC(ベンチャーキャピタル:ここではVC・CVCとまとめて「投資家」とします)との連携を重視します。
また、長期・弾力的な支援とSG審査の組み合わせにより、効果的な支援を行います。
SG:ステージゲートとは
ステージゲートは、技術開発・製品開発を事業として成功させるためのプロセスの管理方法です。
ステージ(開発)とゲート(テーマ評価)でテーマを絞り込んで、より採算性の高いテーマを導くことができる手法です。
そもそもディープテックとは
「ディープテック」とは、特定の自然科学分野での研究を通じて得られた科学的な発見に基づく技術です。
そして、その事業化・社会実装を実現できれば、国や世界全体で解決すべき経済社会課題の
解決など、社会にインパクトを与えられるような潜在力のある技術のことを言います。
しかし、
①研究開発の成果の獲得やその事業化・社会実装までに長期間を要することにより不確実性が高い
②多額の資金を要する
③事業化・社会実装に際しては既存のビジネスモデルを適応できない
といった特徴があります。
これらの特徴のため、ディープテック領域は自然体ではイノベーションの循環が起きにくいのですが、その循環が実現できれば社会的課題の解決に貢献することから、国として支援する必要性が高いものです。
ディープテック補助金の対象になる企業
様々な例がありますが、一例として、
シード:商業的事業がまだ完全でなはなく研究を継続している企業が対象になります。
アーリー:製品開発・初期のマーケティング、製造・販売活動を始めようとしているか、始めた企業が対象になります。
研究機関・大学:スタートアップの創出やスタートアップとの共同研究に取り組む研究機関
や大学が対象になります。
ディープテック補助金の補助額と補助率
補助金と補助額、補助率について具体的に確認したいと思います。
シード期(実用化研究開発)
・補助上限 3億円(補助率 2/3以内)です。
・事業趣旨に沿った条件(事業会社との連携構想、海外技術実証の有無)の場合、補助上限5億円です。
・アーリー期までの一気通貫支援の場合、補助上限30億円です。
・2~4年程度で実施することを想定しています(アーリー期と合わせて期間は6年を上限とします)。
アーリー期(実用化研究開発)・量産化実証
・補助上限 5億円(補助率 2/3以内)です。
・事業趣旨に沿った条件(事業会社との連携構想、海外技術実証の有無)の場合、補助上限10億円です。
・量産化実証の場合、補助上限 25億円です。
・シード期からの一気通貫支援の場合、補助上限 30億円です。
・ 2~4年程度で実施することを想定しています(シード期と合わせて6年を上限とします)。
補助率について、研究開発要素が少ない場合や、商用化の見込みが近い場合等、リスクが比較的に低いと認められる場合には補助率を 2/3より下げるとのことです。
ディープテック補助金の対象経費
- 設備費用
- システム購入費用
- 技術導入費用
- 研修費用
- 広告費用
- リース費用
などが太陽経費になると思われます。
ディープテック補助金の事例
・昼夜や天候状況を問わず地球の観測可能なサービスを構築
数年間で合成開口レーダー衛星(SAR衛星)を打ち上げて昼夜・天候を問わず地球の観測が出来るようになるかもしれません。
SAR衛星は、夜間で天候がくもりであっても、地上を観察することが可能です。
さらに数ミリ単位で高低を測定することが可能です。
そのことは、災害時の被害状況を予想し、防災に役立てたり、災害の被害を抑えることが可能になります。
・労働力不足問題に対処する量子コンピュータの開発
量子コンピュータを使うと、既存のスーパーコンピュータでは時間がかかるか、解けない問題を、非常に短い時間で解くことができると期待されています。
量子コンピュータを使うことで産業の複雑な問題を短時間に解決したようです。
さらに物流業界で労働者不足、特にトラックドライバーの不足について解決の糸口を示すことが期待されています。
・小売り・物流等の労働力不足の解決(遠隔・ロボット)
遠隔操作が可能なロボットの開発も進んでいるようです。
この遠隔操作可能なロボットは、労働力不足が指摘されている小売店などで、陳列作業を問題なくできることを目指して作られます。
さらに、物流倉庫ではピッキング、移動作業を自動化することを目標にしているようです。
これらが実現すれば、災害、労働力不足の問題を解決する大きな一歩になるかもしれません。
ただし、時間、資金、人手がかかり、補助なしにはそう簡単に出来ないものばかりです。
ディープテック補助金の申請に必要な準備を解説
補助金申請にはどのような準備が必要になるのでしょうか?
①GビズID取得
GビズID(gBizID)は、法人・個人事業主向け共通認証システムです。
GビズIDを取得すると、一つのID・パスワードで、全ての行政サービスにログインできるシステムです。
アカウントは 最初に1つ 取得するだけで、 有効期限、年度更新の必要は今の所ありません。
補助金は電子申請のようなので早めの習得が良いと考えられます。
②申請内容の整理
この補助金は、事業計画書による審査があり、審査に通った企業が受け取ることができます。
となると事業計画書は非常に重要で、綿密に作成される必要があり、時間も相当かかると思われます。
余裕をもって準備することが重要です。
ディープテック補助金と一緒に申請したい制度
ディープテック補助金と一緒に申請したい制度の例です。
加点を目指すために前もって作成しておきたいもの
加点を目指すために前もって作成しておきたいものの例です。
経営革新計画
経営革新計画は、中小企業が新事業活動に取り組み、経営の向上を図ることを目的に作る中期的な計画書です。
計画策定をすることで、現状の課題や目標が分かりやすくなるなどの効果が期待でき、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となる場合があります。
経営改善計画
経営改善計画は、金融支援を受けることを目的として、事業の改善と対策を目に見える形で説明する資料です。
この資料の作成で、業況の改善、金融支援の更改、金融機関や取引先からの信頼性が上がる、従業員のモチベーションが向上するなどのメリットにつながります。
この計画書を専門家と作成することで、専門家に対する支払費用の2/3を負担する事業があります。
早期経営改善計画
早期経営改善計画は金融支援を目的としないで、早めに自分の経営を見直すための資金実績・計画表などの基本的な計画表などです。
専門家と作成することで、専門家に対する支払費用の2/3を負担する事業があります。(上限金額あり)
M&Aなどを伴う事業再構築の場合
M&Aなどを伴う事業再構築の場合に一緒に申請したい制度の紹介です。
事業承継・引継ぎ補助金
この制度の概要は、地域の貴重な経営資源を散逸させることなく次世代へ引き継ぐため、事業承継・引継ぎを⽀援し、さらに事業承継・引継ぎ後に⾏う予定の新たな取組を⽀援します。
事業承継・引継ぎを契機とする新たな取組や廃業に係る費⽤、この制度利用時に関わった専⾨家の活⽤費⽤の⼀部が補助されます。
経営資源集約化税制
M&Aによって経営力向上計画の認定を受けた中小企業が、計画に基づいてM&Aを実施した場合に、以下の措置が活用できます。
設備投資減税
経営力向上計画に基づき、以下いずれかの要件に該当する一定の設備を取得等した場合、投資額の10%を税額控除※ 又は全額即時償却可能です。
※資本金3000万円超の中小企業者等の税額控除率は7%
準備金の積立
事業承継等事前調査に関する事項を記載した経営力向上計画の認定を受けた上で、計画に沿ってM&Aを実施した際、M&A実施後に発生し得るリスクに備えるため、投資額の70%以下の金額を準備金として積み立て可能です(積み立てた金額は損金算入)。
設備投資を伴う事業再構築の場合
設備投資を伴う事業再構築の場合は以下の例があります。
経営力向上計画
経営力向上計画は、人材育成、コスト管理、設備投資等、経営力を向上するために実施する計画です。
認定された事業者は税制面や金融面での支援を受けることが可能です。
また、計画申請においては、経営革新等支援機関のサポートを受けることが可能です。
補助金の申請なら申請代行を利用するべき理由
補助金の申請を代行業者に頼むとどのようなメリットがあるのでしょうか?
①申請の労力や時間を大幅に削減することができる
補助金の申請を自分で行おうとすれば、大変な時間と手間を要します。
補助金の申請には、補助金ごとに異なる申請書類を作成する必要があります。
そのため膨大な公募要領を読むのに時間を費やしますし、内容の理解ができればよいですが、要領が難しく理解ができない場合もあります。
専門家に依頼するとそのような煩雑な部分を大幅に削減できます。
②補助金についての最新の情報や正しい情報を得ることができる
補助金の募集状況や公募要領は、頻繁に改訂されます。
今まで存在していた補助金が無くなったり、公募要件が変更されることも珍しくありません。
補助金の情報収集は最新であることが重要です。
専門家は最新の情報を直ちに入手し、適切なアドバイスをしてくれます。
③補助金全体の流れをつかめる
補助金が採択された後の流れはわからないことも多いと思います。
対象となる事業をまず自分で投資し、確認後に補助金が交付されます。
申請代行業では全体の流れを説明してくれるし、公募採択後、どのように動いたら良いかのアドバイスや必要業務もしてくれます。
④補助金申請時のアピールポイントや加点項目がわかる
専門家はどのような点を重視した作成書類が大きく加点・評価されるかを知っています。
そのため一般の方ではどの情報が重要になるか分からない部分も、専門家がメリハリをつけて書類作成をしてくれます。
⑤知らなかった補助金や助成金の情報を提供してもらえる
補助金には大変多くの種類があります。
自分はこの補助金が必要だと思うと考えていても、専門家の意見は別の補助金がこの会社に合うし採択されやすいのではないかと知識・経験で客観的に判断し、結果うまく運ぶ場合もあります。
また、同じ補助金を専門とする業者でも、補助金の種類は多岐にわたるためのため得意分野が異なることもあります。
補助金申請代行を利用するデメリット
補助金申請代行サービスを利用するデメリットは、最初にも説明があると思いますが、運悪く補助金申請が採択されなかったとしても相談料、着手料金が発生する場合があります。
また、補助金申請後にも書類提出の必要があり、その業務は別途料金が必要になることが多いようです。
さらに、何も情報無く補助金申請代行サービスを利用すると悪徳業者にあたる可能性もあります。
システム開発に関する補助金申請代行ならテックコネクトがオススメな理由
システム開発に関する補助金申請代行はテックコネクトがおすすめです。
理由は以下の3つです。
①システム開発に強い専門家チームが支援
テックコネクトは「システム開発に強い」行政書士・社会保険労務士とチームを組んでおり、専門的な内容に踏み込んだ申請サポートを行うことが可能です。
②審査の要点を抑えた申請書作成
補助金の採択率は年々ハードルが上がっており厳しさを増しています。
時間を有効に使うため、事前ヒアリングを綿密に行い、抑えておくべきポイントをしっかり抑えた、精度の高い緻密な書類作成を行います。
③採択後の報告書作成まで丁寧にサポート
先ほど業者の中には、補助金の申請までを行い、その後のサポートはしない業者もあるという話をしました。
テックコネクトは申請採択後の具体的なシステム開発はもちろん、補助金・助成金の交付される前に、官公庁に提出する報告書の作成まで、責任をもってサポートいたします。
テックコネクトの補助金申請サポートの流れ
テックコネクトの補助金申請サポートの流れです。
ヒアリング〜申請書作成〜提出まで通常1〜2ヶ月かかります。
精度の高い書類作成のために必要な期間です。
補助金申請代行サービスをお考えであれば、早めのご相談をおすすめいたします。
①ヒアリング〜申請判断
事前にヒアリングシートをご記入いただきます。
そのヒアリングシートをもとにWEB会議を開催し、御社の状況をお伺いして申請を行うかどうかの判断を行います。
②申請書作成
ご相談のうえ申請が決定した後は、契約書の締結を行い、具体的な申請書の作成に着手します。
③申請書提出
作成した申請書の内容を精査し、お客様との意見交換を繰り返した後、オンライン申請で申請書の提出を行います。
④交付申請準備
申請書の採択後は、交付申請書の準備を始めます。
同時に開発するシステムの詳細を明確にする要件定義も進行します。
⑤交付決定〜事業完了
交付が決定した後、システムの設計書をもとに開発を進め、動作確認を行いながら納品・事業完了まで進めます。
⑥申請〜採択後のアフターフォロー
システム開発を経て事業が無事に完了した後、事業完了報告書の作成を行い提出します。
⑦ヒアリング〜申請判断
申請・採択後も、継続してアフターフォローをいたします。
少しでも気になる点があればお気軽にご相談ください。
令和5年の補助金最新情報
令和5年の補助金について最新情報を掲載します。
記載時既に締め切っている物もあると思います。
あくまでも記事は参考として、補助金に関する詳細は官公署のホームページなどで確認してください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万円〜5,000万円・補助率1/2もしくは2/3 の補助金です。
(補助上限額や補助率は、申請される枠など条件で異なります)
経営革新の類型には新商品開発、新たな生産方式の導入、新サービスの開発、新たな提供方式の導入などがあります。
大きく変化したのは、
・グリーン枠について、今まで1段階のみであった温室効果ガス排出削減取組は、取り組みに応じ3段階の補助上限額の設定に変更されました。
・海外展開支援の強化は、補助下限額を1,000万円から100万円に引き下げ使い勝手を向上させました。
一部の類型でブランディングやプロモーションなどに要する費用を補助対象経費に追加しました。
・大幅な賃上げに係る補助上限額引上げの特例があります。
補助事業終了後、3〜5年で大幅な賃上げに取り組む事業者に対し、申請枠の補助上限を100〜1,000万円上乗せします(条件あり)。
(補助金綱領概要https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/14th/gaiyou_14_20230119.pdf)
事業再構築補助金
この補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、ウクライナ情勢なども踏まえ売上の回復が難しい中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代に対応するため、新分野展開、業態転換、事業規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。
(中小企業庁 https://jigyou-saikouchiku.go.jp/)
IT導入補助金
中小企業等が自社の課題や必要に応じたITツールを導入する際の経費の一部を補助することで、自社の業務効率化・売上アップをサポートするものです。
ITツールの導入により経営力の向上等を目指すことを目的としています。
(IT導入補助金 https://www.it-hojo.jp/)
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者等が今後数年にわたり直面する制度変更等に対応するために取り組む経費の一部を補助することで、地域の雇用や産業を支える事業者等の生産性向上と、持続的発展を図ることを目的とします。
本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく取組や、その取組と併せて行う業務効率化や生産性向上の取組を支援するために必要となる経費の一部を補助するものです。
広告費やウェブサイト関連費、また事業に必要な旅費なども認められています。
(商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局 https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_koubo.pdf)
事業継承・引継ぎ補助金
事業承継・M &A後の経営革新に係る費用、M &A時の専門家活用に係る費用、事業承継・M &Aに伴う廃業等に係る費用(原状回復費・在庫処分費等)を補助します。
事業承継・M &A後の経営革新にかかる費用については、経営者交代型について、後継者が引き継ぐ場合を含むことが追加され、また補助上限額が引き上げられる予定です。
(中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r4/r4_shoukei.pdf)
まとめ
今回はディープテック補助金に関する記事でした。
ディープテックは科学的知見に基づく技術で、実現できれば社会問題を解決に導くものです。
しかしながら、支援がない場合に不確実性や資金等の問題でイノベーションが起こりにくいため、補助金を使い技術を維持・支援できるようにというシステムがディープテック補助金です。
補助金の実例もありその技術が完成し循環が活発になれば、労働問題や医療問題、災害対策など様々な問題に対処できる可能性があります。
また申請に必要な準備や、併せて申請したい制度もあるのでしっかり準備し、利用しましょう。
株式会社セルバ代表取締役。学生時代にアルバイトでWEB製作会社に入りプログラムを覚える。大学卒業後SIerにて金融システムの開発に携わった後、再びWEB業界へ。WEB系のプログラム言語とサーバー構築、さらにはCOBOLも出来ます!最近ではシステム開発だけでなく、SEOやマネタイズなどのグロースハックや企画を担当する事が多いです。