Webサイト開発のバグ発生率の目安は?信頼できる会社の選び方も解説
Webサイトの開発を依頼していて「なんかバグ多くない?」と思った経験はありませんか?
バグは開発を行っているとどうしても起こってしまうものではあるのですが、あまりにも多いと開発会社を信頼してもよいものか不安になったりしますよね。
本記事では、Webサイト開発を20年以上行う弊社の目線で、バグ発生の目安と信頼できる開発会社の選び方について解説していきます。
サイト開発でのバグって?
サイト開発において、バグの発生はつきものです。
このことについて、以下のようなポストを見つけました。
「修正が多い」「バグ対応は当然」「10万分の1が低い」とのことですが、実際にどうなのか、詳しく見ていきましょう。
バグの意味と種類
では、バグそのものの意味から見ていきましょう。
バグ[bug]
〈名〉コンピューターで、ソフトウエアに内在する欠陥。▶虫の意
引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店
このように、当たり前に内在している欠陥のように書かれています。
「虫の意」というのは、一説によるとその昔、プログラムの電気回路に虫が混入してショートしてしまい、正しくプログラムが動かなかったことがあったそうで、そこから「バグ(bug・虫)」と表現されることが広まったようです。
では、現代のサイト開発においては、どんなバグが起こるのでしょうか?
機能的なバグ
ボタンが機能しない、フォームが正しく送信されないなど、サイトの機能に関するバグが最も一般的です。
バグ全体の約40〜60%を占めると言われています。
これらのバグは、サイトの使いやすさに直接影響を与えてしまいます。
デザイン関連のバグ
レイアウトの崩れ、異なるブラウザでの表示の不一致、デバイスが変わると表示がおかしくなる問題などが含まれます。
これらのバグは全体の約20〜30%を占めます。
デザイン関連の問題は、ユーザーの第一印象に大きく影響するので、注意が必要ですね。
「サイトが表示されない」問題
この問題は比較的まれですが、発生した場合は早急に対応が必要となります。
原因としては、サーバーの設定ミス、ドメインの問題、重大なコードエラーなどが考えられます。
発生頻度は低いものの(全バグの約1〜5%)、起こらないとも限らないので、おかしいなと思ったらすぐに開発者に相談しましょう。
「ページ表示されない」問題
これは「サイト表示されない」問題の一種ですが、特定のページのみが表示されないということもあります。
全バグの約5〜10%を占め、ユーザーの導線を遮断する可能性があるため、迅速な対応が求められます。
バグの原因
では、バグの原因について詳しく見てみましょう。
バグの原因①プログラムエラー
最も一般的なバグの原因です。これには、構文エラー、ロジックエラー、データ型の不一致などが含まれます。
プログラミングは人が行っているため、どうしても人為的なミスは避けられません。
プログラミングの複雑さが増すほど、このタイプのエラーも増加する傾向があります。
バグの原因②テスト不足
適切なテストを行わずにリリースすると、多くのバグが見逃される可能性があります。
特に、異なるブラウザやデバイスでの互換性テスト、負荷テスト、セキュリティテストなど、さまざまなテストを行っていないと問題が発生しやすくなります。
バグの原因③環境の違い
開発環境と本番環境の違いによって引き起こされるバグも少なくありません。
Web開発は、開発を行う場所と、実際に運用を行う場所はセキュリティなどの要因から別サーバーでの作業となっています。
そのため、サーバーの設定、データベースの構造、ライブラリのバージョンなどのサーバー環境による違いがバグの原因となることがあります。
バグの原因④時間的制約
どんなに優秀なプログラマーやシステムエンジニアでも、期限が迫っているというものに対しては、焦りなどからどうしてもバグが発生してしまいます。
時間的制約というのは、ほとんどの場合がクライアント都合によるもので、急なスケジュール変更があったり、元々急ぎでの開発をお願いされていたりすると、バグが起こりやすい環境になってしまいます。
依頼する側も余裕をもって発注するようにしましょう。
バグの一般的な発生率
発生率についての正しいデータはありませんが、AIに聞いてみた内容と、弊社で長年活躍しているエンジニアの体感がほとんど同じとのことだったので、AI回答を一部引用します。
【ChatGPTの回答】
システム開発におけるバグの発生率は、開発の規模、開発プロセス、チームの経験やスキル、ツールの利用状況などによって大きく異なります。そのため、一概に「バグ発生率は何%」と明確に言うことは難しいです。ただし、いくつかの一般的な統計や傾向はあります。
以下は参考になるポイントです。
1. コードの行数あたりのバグ数
標準的なコード:一般的なソフトウェア開発において、1000行あたり1~20件のバグが発生すると言われています。
高品質な開発プロジェクトでは、1000行あたり1~5件のバグに抑えられることもあります。
大規模なシステムや複雑なシステムでは、バグの数が増加しやすく、1000行あたり20件以上のバグが出ることもあります。
(中略)
5. 標準的なバグ検出の統計
一般的なプロジェクトでは、開発プロセス中に80%程度のバグが検出され、残りの20%は運用中に見つかるとされています。
バグの発生率を最小限に抑えるためには、しっかりとしたコードレビュー、継続的なテスト、バグ管理システムの導入が重要です。
このように、バグが発生する確率でいうと一般的には0.1〜2%、高品質だと0.1〜0.5%だということがわかります。
一般的にWebサイトの「行数」は、弊社運用のサイトでいうと『セルワーク薬剤師』や『テックゲートフリーランス』がありますが、1サイト当たり約30万行あるということなので、一般的に300〜6,000件のバグが発生することになります。
また、開発プロセス中に80%、運用中に20%が見つかるということなので、サイト開発の作業が完了し、運用がスタートするころには60〜1,200件のバグが発生するということがわかります。
もちろんバグが一切ないのが望ましいですよね。
行数で言われても、知識のない人からするとあまりピンと来ないかと思いますが、人の手によってコツコツつくる「サイト開発」である以上、多少のバグは避けられないのが現実です。
例:求人サイト構築パッケージ
約300,000行数で構成
⇒バグ発生件数:300~6,000件
⇒そのうち、運用中に見つかるバグ件数:60~1,200件
バグが発生したら?
どうしても起きてしまう”バグ”。
起きてしまうのは仕方ないとしても、起こったものに対してどのように対応したらいいのでしょうか?
依頼者側と開発者側の両者の対応の仕方について考えてみましょう。
依頼者側がやること
- 異変を感じたら、些細なことでも早急に開発者に相談する
- バグの発生による影響を、早急にユーザーへ伝える
バグの発生で一番困るのは「ユーザー」です。
しかし、ユーザーは異変を感じても訴えてくれることはほとんどないと考えるのが普通かと思います。
そのため、定期的にサイトをチェックし、些細なことでも気になることがあれば、すぐに開発者に相談するようにしましょう。
そうすることで、サイトのユーザーが気持ちよくサイトを回遊し、サービスを快適に楽しんでいただくことができるでしょう。
開発者側がやること
- バグの影響範囲と重要度を迅速に評価する
- 一時的な回避策を実装し、ユーザーへの影響を最小限に抑える
- 問題の状況と対応状況を透明性をもって伝える
- バグの根本原因を分析し、再発防止策を講じる
- 類似のバグが他の部分で発生していないか、包括的な検証を行う
このように、まずはバグの発生を真摯に受け止め、早急に原因追求と一時的な回避策の提示を行いましょう。
依頼者は「どんなバグがどのくらい工数のかかるものなのか」を全く知りません。
開発者側はその気持ちに寄り添って、わかりやすい説明を行ったうえで真摯に対応していきましょう。
信頼できる開発会社の選び方
ここまでバグ発生について見ていきましたが、それでもあまりにもバグが多いと感じたり、バグへの対応の仕方に違和感を感じることもあるかと思います。
その場合は、思い切って外注先を変えてみるのも手ですが、失敗しないために「信頼できる会社」はどのように選んでいけばよいのかについて考えていきましょう。
まずは”バグ発生率”そのものが低いと考えられる開発会社の特徴を整理してみます。
- 体系的な品質管理プロセスを持っている
- 豊富な経験と実績がある
- 透明性の高いコミュニケーションを重視している
- 継続的な改善と最新情報の収集を大切にしている
要するに、仕事に対して真摯に向き合っている会社かどうかが問われるということですね。
では、そんな会社を選ぶために考えられる”チェックポイント”について見ていきましょう。
- 過去の事例を確認し、気になることは質問する
- アフターサポートの体制と対応してくれる担当者について確認する
- 過去の顧客からの評価を確認する
このように、「しっかりと質問に答えてくれるか」や「サポート体制がどうなっているか」を発注前のやり取りの中で確認しておくと、発注後のトラブルを防ぐことができます。
開発会社を選定する際は、ぜひ複数の会社の見積もりを取るなどして、対応を比べ、自社と肌感が合うかを確かめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
Webサイト開発を20年以上行う弊社の目線で、バグの発生について解説していきました。
Web開発は人の手で行っていくものなので、「バグをゼロにする」というのは正直難しいですが、限りなくゼロにできるようにどんなエンジニアも日々努力を重ねています。
バグが発生することが悪いのではなく、大事なのはその対応。
対応に違和感を感じるようであれば、その開発会社との長い付き合いは不可能になってくると思います。
Web開発は作って終わりではなく、その後の運営にも開発会社の協力が不可欠です。
自社に合った開発会社を選べるように、見積もり段階からしっかりと検討されることをおすすめします。
弊社では、システム開発・WEB制作の業者選びの代行や、相見積もりを取れるサービスを無料で提供中!
「どんな業者が自社に合っているのか分からない」「こんなWebサービスをやってみたいけれど、誰に頼めばいいかわからない」などがありましたら、お気軽にご相談くださいね!