WEBサイト・システム開発の業者の選定ポイントは?目的別の詳しい選び方も解説
日本には、WEBサイト制作会社・WEBシステムの開発会社が2万社はあると言われています。
そんな数多くの企業の中から、自社に合った制作会社や開発会社を選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
ここでは、業者を選ぶ際のポイントと選定基準の考え方について解説していきます。
Web制作・開発を依頼する前に
Web制作・開発と言っても、その内容はさまざま。
「とにかくWebサイトを作りたい」と思っていたとしても、その目的や内容によって、どんなタイプの制作会社に依頼するかが全く異なってきます。
まずはどんなタイプがあるかを知り、どんなタイプの会社が求めるサービスを提供してくれるのかを見てみましょう。
Web開発とは?
まずは基本知識として、Web開発とは何なのかを易しく解説していきます。
まずはWeb開発についての説明を見つけました。以下の通りです。
ウェブ開発とは、HTML、CSS、Javascriptを記述し、機能するウェブサイトを作成することです。また、ウェブサーバー、データベース、セキュリティなど、ユーザーの目に触れない部分(バックエンドとも呼ばれる)も担当します。
引用元:STUDIO by UXPin
このように、Webサイトの作成において「サーバー」や「セキュリティ」、「サイトの機能」の作成や調整を行っていくことを言います。
では、「サーバー」とはどういうものでしょうか?
サーバー[server]
〈名〉コンピューターのネットワークで、各種の要求を処理してサービスを提供する側のコンピューター
引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店
これでは少しわかりにくいですが、要するに、ネットワーク上でサイトを作ったり、画像をアップロードしたり、サービスを受けたりする場合のデータの保管庫ということです。
その中でも、「開発サーバー」や「テストサーバー」、「本番サーバー」などさまざまなジャンルのサーバーが存在し、サイトの作成段階によって保管庫の場所を変えていくというイメージです。
身近なもので例えるなら、SNSを投稿する際に「記入欄」と「下書きとして保存する場所」、「プレビュー」、「実際に公開する場所」、と場所が分かれていますよね。
このように保存する場所を変えることで、情報のセキュリティを保つことができます。
Web開発とは、Webサイトの見えている部分(機能など)だけでなく、目に見えないセキュリティ面やサイトの土台となる部分を綿密に作っていくことなんですね。
Web制作のいろいろ
では、Web開発以外にWeb制作にはどのようなものがあるのでしょうか?
以下に箇条書きでまとめていきます。
- コンテンツ制作(記事・画像・動画など)
- コーディング(プログラムを書き込むこと)
- プログラミング(プログラムの完成までの全ての作業の総称)
- Webデザイン
- コーポレートサイト
- ブランドサイト
- マッチングサイト
- ECサイト(オンラインストア)
- 求人サイト
- 採用サイト
- LP(商品やサービスの説明ページ) など
このように、ざっと書き出しただけでもこんなにたくさん出てきました。
「サイト」と付くものでもこんなに種類があるのがわかりますね。ということは、”つくる目的”によってどんなWebサイトを作るかが全然違ってくるということです。
では、もっと大きな枠でWeb制作を捉えてみましょう。
Web制作を行う会社にはどんな種類があるのか、得意とする制作物と一緒に見ていきます。
会社のジャンル | 得意とする制作物 |
---|---|
Web開発会社 | システム・機能重視のサイト(EC、マッチング、求人など) |
Web制作会社 | デザイン重視のサイト(コーポレートサイト、ブランドサイトなど) |
Webデザイン会社 | デザインに関わる全ての業務(Webサイト、紙媒体、広告など) |
コーディング会社 | できあがったデザイン(主に制作会社やデザイン会社が手掛けたもの)にプログラムを書き込んでいくこと |
こう見ていくと、「自社でどんなサイトを作りたいか」によって選ぶ会社が全く異なってくることが分かります。
では、どのように業者を選んでいけばいいのでしょうか?
目的別の業者の選び方
結局どうやって選べばいいんだ?
と頭を抱える方もいらっしゃると思いますので、「どんなサイトを作りたいか」という目的に合わせて、業者の探し方・選び方を解説していきますね。
企業や商品、サービスの「内面」をアピールしたい
こうお考えの方は、企業や商品・サービスのブランド力をアピールできるようなサイト作りを目指していると考えられます。
前述した”会社のジャンル”でいうと、デザインなどで魅せるのが得意な「Web制作会社」が該当します。
そこで気になるのは以下の2点です。
- 売れるデザインを作ってくれるか
- マーケティング面でのサポートがあるか
依頼する側はデザインに関して知識がないことがほとんどのため、「こんなデザインをつくってほしい」という要求をすることすら困難ですよね。
しかし、サイトの目的や意図を汲み取ってくれて、それをデザインに落とし込んでくれる”デザイン力”と”牽引力”のある会社であれば、安心してWebサイト作成をお任せできます。
見積もりや提案の段階で、どこまで要求に対して介入してくれるかや、具体的なサポート内容を聞き、自社の求めるデザインを行ってくれそうかを判断してみましょう。
商品やサービスの良さをわかりやすくアピールしたい
こうお考えの方は、商品のブランディングよりも、「どうやって商品を周知するか」「どうやって問い合わせを増やすか」といった具体的なアピールをしていきたいと考えていることでしょう。商品名でいうとLP(商品やサービスの説明ページ)のことですね。
制作を依頼する会社は、前述した”会社のジャンル”でいうと「Web制作会社」や「Webデザイン会社」が該当します。
では、どの会社のジャンルを選ぶかですが、大切なのは「どのように運用したいか」になってきます。
以下にまとめてみましたのでご覧ください。
運用の仕方 | 会社のジャンル |
---|---|
デザイン・魅せ方を重視したい | Webデザイン会社 |
自社のSNSやホームページなどからの流入で運営したい | |
商品の内容の伝え方について、マーケティング面でのサポートも受けたい | Web制作会社 |
SEO対策などを自社で行いながら運営したい |
このように、完成したサイトを自社でどう運営したいかをまず整理しておくことで、会社の選び方が異なってくることがわかります。
制作会社への問い合わせの際に、「こんなサイト運営を目指しているのですが、可能ですか?」と聞けるようにしておくのがいいでしょう。
ビジネスのプラットフォームとなるサイトをつくりたい
ビジネスの”プラットフォーム”となるサイト制作は、機能性がかなり重要になってくるので、Web制作会社ではなく「Web開発会社」の中から、自社の求めるサイト作りを得意とする会社選びを行っていきます。
どんなビジネスをつくりたいかによって開発会社の選び方が異なってきます。
ビジネスの内容に沿った”重視したい視点”を以下にまとめました。
ビジネスの内容 | 会社選びで重視したい点 |
---|---|
オンラインプラットフォーム (ユーザーは無料、広告などで利益を得る) | UI(見た目や操作性)についての知識が豊富かどうか |
コンテンツ配信サイト (音楽や動画などの独自コンテンツを配信) | 配信システムについての知識が豊富かどうか |
マッチングサイト (人材紹介、不動産紹介など) | 自社が目指すマッチングサイトと同じ業態の制作実績があるかどうか |
ECサイト(オンラインストア) | 決済方法やセキュリティ対策への知識が豊富かどうか |
求人サイト (複数の会社の求人情報を掲載) | 人材業界に関する知識が豊富かどうか |
このように、Web開発会社にも得意不得意がありますので、つくりたいサイトの内容が得意分野に入っているかどうかを、制作実績などを見ながら確認していくといいでしょう。
求人サイトの開発会社については記事でまとめているものがあるので、よかったら参考にしてくださいね。
今あるサイトをリニューアルしたい
これについては、現在運営されているサイトのジャンルによって大きく変わります。
以下に、サイトのジャンル別でまとめておきます。
サイトのジャンル | 制作会社のジャンル |
---|---|
コーポレートサイト | Web制作会社 |
ブランドサイト | |
採用サイト | |
LP(商品やサービスの説明ページ) | Web制作会社・Webデザイン会社 |
オンラインプラットフォーム | Web開発会社 |
コンテンツ配信サイト | |
マッチングサイト | |
ECサイト(オンラインストア) | |
求人サイト |
これらのより詳しい選び方は、前述3点の「目的別の業者の選び方」の内容を参考にしてください。
自社に合った業者の選び方
では、どんな業者がいいかをある程度絞ったところで、より自社に合った業者を選ぶにはどのようなことに気を付ければよいでしょうか?
より自社に合った業者を選びたい時に見るべきところを、以下にまとめていきます。
- やり取りのスピード感が合うかどうか
- 責任をもって取り組んでくれるかどうか
- 要望を聞くだけでなく、丁寧なヒアリングをしてくれるかどうか
このように、見積書や提案のやり取りの時などに、「どのくらい向き合ってくれる会社なのか」や「やり取りのスピード感」をみて、信頼できる会社だと感じたら依頼するようにするのがベストです。
また、やりとりのスピード感については、窓口となる営業担当と、制作を担当するディレクターが異なるケースがほとんどなので、その部分もしっかり確認しておくといいでしょう。
こういった個別でのやりとりが重要となってくるので、「自社に合った」という点で会社を選ぶなら、コンペなどのやり方で業者を選ぶことはあまりおすすめできません。
まとめ
数多くの企業の中から、自社に合ったWeb制作・Web開発会社を選んでいくための、業者を選ぶ際のポイントと考え方について解説していきました。
Web制作・開発とひと口に言っても、得意不得意があったり、そもそも制作する際のベースとなる知識が違ったりするので、どんな会社を選べばいいのか分からなくなってくることが多いと思います。
そういった際はぜひ、「どんな目的でWebサイトをつくりたいのか」、「どのような結果・目標を求めているのか」をまずは自社で整理してみて、それに沿った業者選びを行っていくことをおすすめします。
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