開発会社を選ぶ際に、意外と重要視されているのが所在地です。
システム開発は無形固定資産のため、開発会社は必ずしも近隣である必要はありませんが、所在地が近隣だと何かとメリットも多くあります。
本記事では、地域で開発会社を選ぶ際のポイントをわかりやすく解説し、東京都町田市のおすすめ開発会社も紹介しています。
開発会社の所在地が近隣であるメリット
開発会社の所在地が近隣であるメリットは、主に下記の3つです。
- 対面での打ち合わせが可能
- 優先的に対応してもらえる可能性がある
- いざというときに訪問できる
対面での打ち合わせが可能
開発会社の所在地が近隣である最大の利点は、対面での打ち合わせが容易に実現できることです。
最近はオンラインでの打ち合わせが主流ですが、対面での打ち合わせはオンラインよりも相手の反応が見えやすくコミュニケーションがスムーズになったり、大人数での打ち合わせに向いているなどのメリットがあります。
プロジェクトの進行状況や課題についても直接話し合うことができるので、迅速な意思決定や問題解決が可能となります。
また、オンラインよりも対面でのコミュニケーションの方が、チーム間の信頼関係構築はしやすくなります。
プロジェクトの成功は、開発会社とチームを組んでコミュニケーションをはかっていくことにかかっているので、オンラインでの打ち合わせに不慣れであるほど、対面で打ち合わせをするメリットは大きいでしょう。
移動にかかる時間や費用も削減されるので、訪問が容易になるのもメリットです。
優先的に対応してもらえる可能性がある
開発会社は、システム開発以外にも事業をしていることが多く、中には地域密着型のビジネスを展開している企業も存在します。
そんな企業は、地元企業からの仕事を優先的に受注する傾向があります。
このような開発会社は、地域の特性や需要を深く理解しており、地元企業のニーズに合わせたきめ細かいサービスを提供することができます。
地域経済の活性化に貢献するという意識も高く、地元企業との長期的な関係構築を重視しているので、同じ地元の企業であれば優先的に対応してもらえる可能性は高いでしょう。
いざというときに訪問できる
前述の通り、開発会社との物理的な近さにより、対面での打ち合わせが容易になります。
何かあったときにプロジェクトの進捗状況を直接確認したり、即座に重要な打ち合わせを行ったりすることができます。
特に、「対面でのコミュニケーションを重視する」会社にとって、この利点は非常に大きいといえ、過去にオフショア開発で苦労した経験がある企業にとっても、魅力的な選択肢となります。
物理的に距離が近いことで、プロジェクトの透明性を高め、リアルタイムでの問題解決を可能にするので、結果としてプロジェクトを効率よく進め、開発するシステムの品質が向上する可能性が高くなります。
開発会社選びで失敗しない優良会社の見分け方
近隣にある開発会社に発注することは多くのメリットがありますが、所在地が近隣であればそれだけで全てが上手くいくわけではありません。
優良な開発会社を見分けるために、所在地以外に見るべきポイントを解説します。
設立してから少なくとも5年以上
まず、企業が設立してからの存続期間について理解しておく必要があります。
中小企業白書(2017年)によると、ベンチャー企業の10年後の生存率はわずか6.3%とされています。
特にWeb関連事業を行う企業の多くがベンチャー企業であることを考慮すると、現存する50社のうち、10年後に生き残るのはわずか3社程度という計算になります。
このような厳しい現実を踏まえると、5年以上存続している会社は、ある程度の安定性と信頼性を有していると判断できます。
絶対的な基準ではありませんが、5年以上の実績がある会社は相応の制作実績があることが多いため、開発会社を選ぶ際の最初の判断基準となります。
従業員数と被保険者数に大きな差がない
優良な開発会社を見分けるには「従業員数と被保険者数のバランス」にも注目しましょう。
従業員数は開発会社の公式サイトに記載されていることがあります。(義務ではないので、記載されていないこともあります)
被保険者数は日本年金機構のサイトで調べられます。
両者を比較した際に、従業員数に対して被保険者数が少なすぎる場合は、注意が必要です。
システム開発において、業務委託契約の人員(フリーランス)を使用すること自体は問題ありませんが、一部の企業では、フリーランス人材まで「従業員数」に含めている場合があります。
従業員数と被保険者数に大きく差がある企業は、意図的に数字を盛っている可能性が高く信頼性が低いので、長期的なパートナーシップを組むことはおすすめしません。
通常、フリーランス人員の作業で問題が発生した場合、その人員と契約している会社が責任を負うべきですが、意図的に数字を盛るような会社がきちんと責任を負う可能性は低いと言えるでしょう。
また、意図的に数字を盛るような会社は、進捗に遅れが発生したときに理由を説明せずはぐらかしたり、最悪の場合だと納品前に連絡がつかなくなることもあります。
些細なことに思えますが、「意図的に数字を盛る」ような会社との取引はそれだけリスクが高いということを覚えておいてください。
類似の制作実績がある
開発会社の選定において、制作実績の確認は非常に重要なポイントなので、重視する人も少なくありません。
しかし、単純に「実績数が多い」「大手や有名企業の制作実績がある」ことだけで優良会社だと判断するのは早計です。
自社にとっても優良な会社とは限らないからです。
「大手や有名企業の制作実績が多くあるか」どうかよりも、「自社が求めるシステムと類似の制作実績があるかどうか」を見ましょう。
特に同業種の実績があれば、業界特有のニーズや、課題に対する理解の深さも期待できます。
一口にシステム開発会社と言っても、得意分野は各社によって大きく変わります。
大手や有名企業の制作実績が多くあっても、自社が求めるものは不得意である可能性もあります。
制作実績は開発会社のサイトに載っていることが多いですが、クライアントの意向で公開できないものも多くあるので、問い合わせ時に「サイトに載せていない制作実績はありますか?弊社が発注したいものと近いシステムを作ったことがありますか?」と聞いてみることをおすすめします。
セキュリティへの意識が高い
近年、個人情報漏えい事故が頻繁にニュースで取り上げられ、社会的な関心が高まっています。
このような事故は企業にとって致命的な影響を及ぼす可能性があるため、開発会社の選定の際にはセキュリティ対策について確認することも非常に重要になります。
セキュリティへの意識は実際に問い合わせてみないとわかりにくいので、見積もりを依頼する際に、「セキュリティ対策はどんなことを行っていますか?」「どの程度まで対応してくれますか?」等と質問することをおすすめします。
見積もりを依頼するときが最も自然に聞きやすいタイミングです。
セキュリティへの知識が高くしっかり対策している会社ほど、詳細な説明をしてくれる傾向があります。
不明点があれば積極的に質問しましょう。
質問の答えをはぐらかしたり、セキュリティ対策を軽視しているようであれば、その会社への発注はやめておいた方が良いです。
レスポンスが早い
システム開発には納期があるため、余計な工数がかからないようにスムーズに進行するためには、コミュニケーションのスピード感も重要になります。
レスポンスが遅い会社はまめに進捗報告をしてくれなかったり、納期が遅れる可能性が高くなります。
一次対応や、レスポンスが24時間以内にあるかどうか、やり取りの回数が極力少なくなるような配慮があるかなどはチェックすると良いでしょう。
担当者の印象が良い
前述の通り、プロジェクトの成功は、開発会社とチームを組んでコミュニケーションをはかっていくことにかかっています。
そのため、担当者の印象が良く、コミュニケーションにストレスを感じないことも重要な要素です。
自社の要望を正確に理解し、それを形にしてもらうためには、担当者のコミュニケーション能力が必要です。
担当者のコミュニケーション能力が低いと、こちらの意図を理解してもらえなかったり、認識違いがあってもそのまま開発が進んでしまう等のトラブルに発展することがあります。
担当者のコミュニケーション能力を評価する指標の一つが、初回の問い合わせへの対応です。
初回で迅速で丁寧な対応をしてくれるなら、発注してからも同じように対応してくれる可能性が高いです。
逆に、初回から対応が遅かったり雑な会社は、その後も対応が良くなる可能性は低いので、発注はやめておいた方が良いでしょう。
東京都町田市のおすすめ開発会社4選
ここからは前述の見分け方を踏まえて、開発会社・発注者の両方の経験が豊富な弊社の目線で厳選した、おすすめの開発会社をご紹介します。
企業名 | 設立年数 | 従業員数と被保険者数のバランス | システム開発以外の事業 | 主な取引先 |
---|---|---|---|---|
株式会社 ベガシステム | 35年 | ◎ | 訪問看護 | 青山学院大学 アズビル株式会社 株式会社NTTドコモ |
株式会社ビックボイス | 13年 | ◎ | ITコンサルティング DX診断 HP・ECサイト制作、SNS活用、デザイン全般 社会貢献・地域振興、EdTech事業、プログラミング教室 | 芦別市 株式会社冨士種菌 |
株式会社ソフト開発 | 40年 | ◎ | コンピュータ導入のコンサルテーション | ー |
株式会社ビーライン | 27年 | ◎ | 医療系ソフトの販売/サポート | カールツァイスメディテック株式会社 株式会社 パリミキホールディングス 株式会社三菱電機ビジネスシステム |
※会社の設立年数は2025年1月時点のものです。
※従業員数と被保険者数のバランスは50%以上を◎、30%以上を〇としています。
株式会社ベガシステム
- ITと訪問看護の2つの事業を展開するユニークな企業
- 電話転送システムTransPhoneCallと訪問スケジュール管理システムOnSuke+を提供
- 東京の町田市と長野の塩尻に拠点を持っている
会社の設立年数 35年(2025.1時点)
被保険者数割合 ほぼ90%
訪問看護事業を効率化するシステムを提供
大手企業や教育機関との取引実績あり
株式会社ベガシステムは、ソフトウェア開発と訪問看護事業の2つの分野で事業を展開しています。
自社サービスをいくつも展開しており、クラウド型の電話転送システム「TransPhoneCall」は、オフィス外でも電話対応ができるようにし、リモートワークや外出時の業務効率を向上させます。
訪問看護向けのスケジュール管理システム「OnSuke+」は、訪問スタッフの予定をデジタルで一元管理し、業務の効率化を支援します。
システムエンジニアリングサービス(SES)事業も展開しており、企業に対してソフトウェア開発・保守・運用を担うエンジニアを提供しています。
AIやMixed Realityなどの技術に関する情報発信も行っており、「VEGA Scope」というコンテンツで最新の技術トレンドについて発信しています。
過去には「AIの課題とリスク」や「Mixed RealityヘッドセットのUI/UXへの影響」といったテーマを取り上げており、IT技術に関する知見を広めています。
株式会社ベガシステムの概要
設立年 | 1990年5月 |
電話番号 | 042-799-4709 |
所在地 | 〒194-0005 東京都町田市南町田5-2-1 南町田5丁目ビル 2F |
事業内容 | コンピュータ、通信機器のソフトウェアの企画、設計、開発、販売 コンピュータ、通信機器を利用した各種制御・組込系システム 及び音楽・動画配信などのWeb系システムの開発 インターネットサーバーの設計、構築、保守、運用ASPサービス訪問看護事業 |
実績 | https://www.vega-net.co.jp/work/ |
株式会社ビックボイス
- Webシステム開発、DX支援、IoT研究、デザイン、EdTech事業などの幅広いITサービス提供
- 小規模チームながら技術力と品質を重視で少数精鋭で高品質な開発
- 教育・地域振興を支援するIT事業を展開して社会貢献・地方創生への取り組みを行っている
会社の設立年数 13年(2025.1時点)
被保険者数割合 90%
Webシステムの開発に強い
多数の表彰実績あり
株式会社ビックボイスは、Web系システムの開発を中心に多岐にわたる技術サービスを展開しています。
ホームページやECサイトの制作・運用など、Webデザインに関するサービスも提供しています。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の企画・開発・運用を行い、企業の業務効率化を支援しています。
「サステナビリティ事業」として、社会貢献や地域振興を目的としたEdTech(教育×テクノロジー)分野にも取り組んでいます。特に教育分野でのIT活用に力を入れています。
地方創生や新しいIT企業の形を追求する姿勢を持ち、小規模チームによる成長戦略を掲げています。
顧客・品質・仲間を大切にしながら、着実に事業を拡大していると述べており、地域に根ざしたITサービスの提供を目指していることが伺えます。
株式会社ビックボイスの概要
設立年 | 2012年10月 |
電話番号 | 042-794-7419 |
所在地 | 〒194-0021 東京都町田市中町1-4-2 町田新産業創造センター3F |
事業内容 | IT IoT ResearchDX GX SX地域密着型デザイン事業Sustainability |
実績 | https://boisb.com/service/ |
株式会社ソフト開発
- 大手IT機器メーカーからの高い評価を受けた技術力
- 通信制御系ソフトウェアの開発を中心に、多様な業界向けのシステムを開発
- 「地域と共に社会を支える21世紀ソフト開発の挑戦」を掲げ、地域貢献活動を展開
会社の設立年数 40年(2025.1時点)
被保険者数割合 90%
ISO9001・ISO14001・ISO27001取得済
業務システムの開発に強い
株式会社ソフト開発は、通信制御系ソフトウェアの開発を中心に、業務系システムやWebアプリケーションの受託開発を手掛けています。
30年以上にわたる開発経験を活かし、多様な業界のニーズに対応したシステムを提供してきました。
大手IT機器メーカーから高い評価を受ける技術力を持ち、通信制御技術のノウハウを強みにしています。
品質管理にも注力しており、ISO9001(品質マネジメント)、ISO14001(環境マネジメント)、ISO27001(情報セキュリティマネジメント)の3つの国際規格を取得しています。
安定した品質のシステムを提供し、環境への配慮や情報セキュリティ対策を徹底しています。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも行っており、「住み続けられるまちづくりを」「パートナーシップで目標を達成しよう」といったテーマで活動を推進しています。
株式会社ソフト開発の概要
設立年 | 昭和59年10月8日 |
電話番号 | 042-795-7613 |
所在地 | 〒194-0004 東京都町田市鶴間8-4-30 クレインドビル |
事業内容 | マイコン制御系(通信/プラントetc)システムの受託開発 ネットワーク及びデータベースシステムの受託開発 Web/クラウド関連 システムの開発/販売コンピュータ導入のコンサルテーション及びビジネスアプリケーションの開発 その他上記に関連または付随する業務 |
実績 | https://softkaihatsu.co.jp/businessbackground1/ |
株式会社ビーライン
- 眼科に特化した医療システムを提供
- 自社開発のため、病院やクリニックのニーズに応じた迅速で柔軟なカスタマイズが可能
- 海外の病院向けにもシステムを提供可能
会社の設立年数 27年(2025.1時点)
被保険者数割合 90%
医療業界向けシステムに強い
セキュリティ対策を重視
株式会社ビーラインは、眼科向け医療システムの開発・販売・サポートを行う企業です。
眼科診療の効率化を目的とし、電子カルテや画像ファイリングシステムなど、医療機関向けのITソリューションを提供しています。
クリニック向け眼科電子カルテシステム「MediusCL」、病院向け眼科部門システム「MediusPlus」、視野検査データを管理する「BeeFiles」、眼科画像を整理する「MEDIPICTURE」、点眼管理をサポートする「MediFiles」、コンタクトレンズ販売管理システム「waveye」など、多様な眼科関連システムを展開しています。
自社開発による迅速な機能追加が可能で、医療現場のニーズに対応しやすく、高品質かつ費用対効果の高いソリューションとなっています。
ユーザーが操作しやすいシンプルなUI(ユーザーインターフェース)を採用し、医師やスタッフが効率的に業務を行えるよう設計されています。
医療システムに重要なセキュリティ対策にも力を入れており、患者データの保護や情報漏洩防止のために最新の技術を導入しています。
海外の病院向けにもシステムを提供可能であり、国内にとどまらず国際展開にも対応しています。
株式会社ビーラインの概要
設立年 | 1997年9月1日 |
電話番号 | 042-729-3753 |
所在地 | 〒194-0021 東京都町田市中町1-2-2 森町ビル3F |
事業内容 | 医療系ソフトの開発/販売/サポート |
実績 | https://beeline.co.jp/case |
まとめ
近隣の会社にシステム開発を依頼するメリットと、優良な開発会社の見分け方について解説しました。
所在地が近いと、対面でのコミュニケーションが容易なため、大人数での打ち合わせに適していたり、コミュニケーションがスムーズになってプロジェクト成功の可能性が高くなるのがメリットです。
優良な開発会社を見つけるためには、結局のところその会社の信頼性の高さが重要となります。
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