人材斡旋業に中小企業が多い理由は?旅行代理店・不動産仲介業との共通点を解説

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人材紹介会社を調べていると、大手の転職エージェントだけでなく、特定の業界や地域に特化した会社が数多く見つかります。

不動産仲介会社や旅行代理店についても同様です。「なぜ仲介業には中小企業が多いのか」と疑問に感じる人もいるでしょう。

一つの理由は、メーカーや小売業と比べて、大量の商品在庫や製造設備を持たなくても事業を始められることです。一方で、人材紹介なら求人企業と求職者、不動産仲介なら物件所有者と借主・買主というように、双方を集めなければ取引は成立しません。

そのため、仲介業は「在庫を持たないから簡単な商売」ではなく、在庫リスクの代わりに集客力・営業力・専門知識が収益を左右するビジネスです。

なお、日本では2021年6月時点で中小企業が336.5万者あり、全企業の99.7%を占めています。
仲介業に限らず、日本企業そのものに中小企業が多いという前提も押さえておく必要があります。

その上で、人材紹介・不動産仲介・旅行業には、小規模な事業者でも参入しやすい共通した構造があります。

目次

人材斡旋業に中小企業が多い理由

一般に「人材斡旋業」と呼ばれる事業のうち、求人企業と求職者の雇用成立をあっせんするものは、法律上は「職業紹介」に当たります。
有料で行う場合は、厚生労働大臣の許可が必要です。

3万を超える事業所がある

厚生労働省の資料によると、2025年3月末時点の有料職業紹介事業所は全国で31,486事業所です。東京都だけでも10,859事業所あります。

大手企業だけで市場が構成されているわけではなく、多数の事業者が職業紹介を行っていることが分かります。

ただし、公表されている事業所数だけから、「31,486事業所のほとんどが中小企業」とまでは断定できません。

正確には、人材紹介は多数の事業者が参入しており、小規模な会社でも事業を成立させやすい構造を持っていると捉える方が適切です。

大規模設備を持たず始められる

人材紹介では、メーカーのような工場や機械、小売業のような商品在庫は基本的に必要ありません。
必要になるのは主に、

  • 求人企業を開拓する営業
  • 求職者を集める集客
  • 面談・選考支援を行う担当者
  • 求人・求職者情報を管理する仕組み

です。

たとえばエンジニア専門の紹介会社なら、求人企業50社と求職者200人を管理し、双方の条件を合わせて紹介します。

自社で「人材」という商品を仕入れるわけではありません。
この資産の軽さは、中小企業が参入しやすい理由の一つです。

得意分野へ特化しやすい

大手と同じように、

営業
IT
製造
医療
建設

まで幅広く扱う必要はありません。たとえば、

医療機器営業だけ
地方の製造業だけ
特定のIT職種だけ

という事業も成り立ちます。

むしろ小規模な会社では、対象を絞ることで業界知識を深め、求人企業と求職者の双方に「この分野なら詳しい」と認識してもらう方法があります。

大手より広告予算が少なくても、特定分野で検索・紹介・業界ネットワークを作れれば競争できます。

ただし許可は必要

「人材紹介は誰でも簡単に始められる」という説明には注意が必要です。
有料職業紹介事業は許可制です。
現在の許可基準では、1事業所の場合、

  • 基準資産額500万円以上
  • 自己名義の現金・預貯金150万円以上

などの財産的基礎が必要です。事業所や職業紹介責任者などについても基準があります。

これは「資本金が500万円あればよい」という意味ではありません。
資産から負債などを差し引いて算出する基準資産額で判断されます。

また、有料職業紹介では求職者から紹介手数料を徴収することは原則禁止されており、一部に例外があります。

設備産業と比べて少ない資産で参入できる一方、無許可で自由に始められるビジネスではありません。

仲介業に共通する特徴

旅行代理店、不動産仲介業、人材斡旋業は扱うものこそ違いますが、事業構造には共通点があります。
一言で表すと「売り手と買い手の間に入り、条件を合わせて取引を成立させるビジネス」です。

自社で商品を作らない

製造業では商品を作ります。
飲食店なら食材を仕入れ、料理として販売します。

一方、仲介業では基本的に自社で対象物を製造しません。

業界仲介する対象
人材紹介求人企業と求職者
不動産仲介売主・貸主と買主・借主
旅行業旅行者と交通・宿泊などのサービス

自社で在庫を大量に保有しなくても取引できます。

この特徴が、小規模事業者でも参入できる余地につながっています。

情報の差を埋めて価値を出す

仲介会社の価値は、単に連絡先を教えることではありません。

たとえば転職したい人が、「年収500万円以上で、リモート勤務ができるWebエンジニア求人を探している」とします。
求人情報を100件送るだけでは、検索サイトと大きな違いがありません。

そこで、

経験年数
技術スキル
希望条件
企業文化
選考難易度

まで踏まえて候補企業を絞ることで、仲介する意味が生まれます。

不動産でも旅行でも同じです。
顧客自身では比較しにくい情報を整理し、選択肢を絞ることが仲介会社の価値になります。

成約して初めて売上になる

仲介ビジネスでは、相談件数が多くても契約につながらなければ売上にならない収益モデルが多くあります。
人材紹介なら、仮に採用企業と「採用者の想定年収の30%」という成功報酬で契約していたとします。

想定年収500万円なら、500万円×30%=150万円が売上になる計算です。

ただし、20人と面談して1人も入社しなければ、成功報酬は発生しません。
そのため、登録者数よりも、

紹介数
面接数
成約数

を見る必要があります。

集客が事業の中心になる

仲介業では商品在庫を抱えない代わりに、「両側を集める」難しさがあります。
人材紹介なら、

求人企業があるのに求職者がいない
求職者は多いのに紹介できる求人がない

状態では成立しません。
不動産なら物件と顧客、旅行なら旅行者と仕入れ・手配先が必要です。

仲介業では、仕入れより「誰をどう集めるか」が事業の中心になります。

このため、中小企業でも参入できますが、顧客獲得の仕組みを持っていなければ継続は難しくなります。

3つの仲介業の違い

3業界は似ていますが、まったく同じビジネスではありません。
特に許認可と料金の取り方には違いがあります。

人材斡旋業

有料職業紹介では、求人企業と求職者をつなぎ、雇用関係の成立を支援します。

厚生労働大臣の許可が必要です。

求職者から紹介手数料を徴収することは原則禁止されているため、一般的な転職エージェントでは採用企業側から成功報酬を受け取るモデルが中心です。ただし法律上、一部の例外はあります。

つまり、

求人企業からお金をもらう
求職者は無料で使う

という二面市場になりやすい点が特徴です。

不動産仲介業

不動産仲介では、土地・建物の売買や賃貸について、売主・貸主と買主・借主の間に入ります。

2025年3月末時点の宅地建物取引業者は132,291業者で、11年連続で増加しています。うち都道府県知事免許は129,133業者です。

多数の事業者が存在する背景には、全国規模で展開する企業だけでなく、地域の物件・地主・顧客情報を持つ事業者が成立しやすいことがあります。

「大阪市北区の賃貸」「地元の事業用物件」というように商圏を狭くしても事業が成立するため、地域密着型の中小企業と相性があります。

旅行代理店

旅行業も登録制度の対象です。2026年4月1日時点では、

第1種:599業者
第2種:3,224業者
第3種:5,081業者
地域限定:870業者

となっており、合わせて9,774業者あります。別に旅行業者代理業者450業者、旅行サービス手配業者3,901業者が登録されています。

旅行業者は営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任する必要があります。

また、旅行者保護のため営業保証金制度も設けられています。
旅行業協会へ加入して弁済業務保証金制度を利用する場合は、一定の負担軽減があります。

つまり旅行業も、「在庫を持たないから簡単に開業できる」とは言えません。

ただし、地域ツアーや特定テーマの旅行など、小さな市場へ特化できるため、多数の事業者が存在します。

仲介業は本当に儲かる?

仲介業については、「在庫を持たないから利益率が高い」と考えられがちです。
確かに製品の仕入れや工場を必要としない点はメリットですが、それだけで高収益になるわけではありません。

在庫リスクは小さい

人材紹介会社は、人材を購入して倉庫へ保管する必要がありません。
不動産仲介会社も、自社で不動産を仕入れて販売する不動産販売業とは収益構造が違います。

このため、

売れ残った商品を廃棄する
大量の在庫資金を用意する

といったリスクは小さくなります。
設備投資の重い業種と比べれば、小規模から始めやすい理由になります。

人件費と広告費はかかる

その代わりに重くなるのが、

  • 営業担当者の人件費
  • 顧客を集める広告費
  • ポータルサイトへの掲載費
  • Webサイト・システム費
  • 問い合わせ対応
  • 契約・法令対応

です。

特に人材紹介では、求職者1人を集めるために求人広告や検索広告を利用するケースがあります。

100人集めても1人しか成約しなければ、集客コストは1件の売上へ集中します。
在庫がないからといって、運営コストが低いとは限りません。

成約率で利益が変わる

仮に人材紹介で1人採用されると100万円の売上が発生するとします。
1人を採用につなげるまでに、

広告費:30万円
担当者人件費:30万円
営業・システム等:20万円

かかれば、残るのは20万円です。

一方、紹介や面談の精度を高め、同じ集客費から2人採用につながれば採算は大きく変わります。

仲介業では「1件当たりの報酬額」より、1件の成約を作るまでにいくら使ったかを見る方が収益性を判断しやすくなります。

規模より専門性が強みになる

中小企業が大手と同じ市場で、

求人件数
広告量
営業人数

だけを競うのは難しいでしょう。一方で、

半導体技術者専門
地方の医療人材専門
外国人IT人材専門

など、特定分野へ絞れば話は変わります。

50社しか求人企業がなくても、その50社との関係が深く、対象となる求職者から認知されているなら事業になります。

仲介業では「市場の広さ」だけでなく、「その市場で自社が選ばれる理由」が必要です。

中小企業が参入するなら

仲介業は小規模から始められる一方、プラットフォームを作れば自動的に取引が増えるわけではありません。
特に新規参入では、システム開発より前に確認したいことがあります。

狭い市場から始める

「人材紹介を始める」だけでは競合範囲が広すぎます。

たとえば、全国・全職種の人材紹介より、関西の製造業で働く生産技術職まで絞った方が、

誰へ営業するか
どこから求職者を集めるか
どんな求人情報を掲載するか

が明確になります。
旅行業なら特定地域、不動産なら特定商圏という形で同じ考え方ができます。

両側の顧客を先に集める

仲介サービスでは、サイトを公開するだけでは価値が生まれません。

たとえば求人マッチングサービスなら、求人企業0社・求職者1,000人でも成立しません。
反対に、求人企業100社・求職者0人でも成約しません。

システムを作る前に、

企業へ営業して求人を獲得できるか
対象人材を集められるか

を確認します。

人力で成約を試す

新しい仲介サービスなら、最初から検索・応募・メッセージ機能を開発しなくても検証できます。
たとえば、

企業20社へヒアリング
↓
対象者50人をフォームで募集
↓
表計算ソフトで条件を管理
↓
運営担当者が人力で紹介
↓
成約時に料金を受け取る

という形です。

ここで5件、10件と取引が成立するなら、システム化する根拠になります。

反対に誰も料金を払わないのであれば、開発前にターゲット・料金・提供価値を見直せます。

まだ「誰と誰を仲介するのか」「誰から料金を受け取るのか」「どう集客するのか」が固まっていない場合は、企画段階の条件を整理するための簡易フォームも利用できます。

企画中のWebサービスが事業として成り立つか整理する

電話番号は不要で、回答後は原則として簡単なフィードバックメールを1回お送りする形式です。
希望した場合を除き、継続的な営業メールや打ち合わせを前提とした案内は行っていません。

取引が増えてからシステム化する

人力で仲介を続けていると、

企業情報がExcelに散らばる
紹介履歴が分からない
利用者自身に求人を登録してほしい
検索に時間がかかる
応募状況を管理できない

といった問題が出てきます。この段階になれば、

  • 会員登録
  • 企業・ユーザーデータベース
  • 求人・案件登録
  • 検索
  • 応募
  • マッチング
  • メッセージ
  • 進捗管理
  • 管理画面

などをシステム化する意味があります。

セルバでは、求人・ビジネスマッチングなどデータベース型ポータルサイトの構築を行っています。
現在の公式ページではスタートアップから大企業まで120社以上の支援実績があり、基本機能を持つパッケージを基にした開発にも対応しています。

また、求人ポータルやビジネスマッチングサイト、SEOを考慮したデータベース型サイトの構築も現在のサービス範囲に含まれています。

人力や既存ツールでは管理が難しくなり、本格的な仲介サイトへ移行する段階では、対応機能や開発方法を確認する材料になります。

ポータルサイト構築・集客支援を見る

まとめ

  • 人材紹介・不動産仲介・旅行業には多数の事業者が存在し、大量の在庫や製造設備を必要としないため、中小企業でも参入できる余地がある
  • 3業界に共通するのは、売り手と買い手の間で情報を整理し、条件を合わせて取引成立を支援する仲介型の構造
  • 在庫リスクは小さい一方、顧客獲得・営業・人件費・許認可対応が必要であり、「参入しやすい=簡単に儲かる」ではない

仲介業で中小企業が大手と同じ規模を目指す必要はありません。
地域や職種、顧客層を絞り、その領域で情報量や対応力を高める方が現実的です。

新規参入を考える場合は、システムを作る前に、実際に両側の顧客を集めて取引が成立するかを確認すると、初期投資を抑えながら事業性を判断できます。

支援実績120社以上。
ポータルサイトの構築・運用ノウハウで、事業成長を支援

セルバは、ポータルサイト構築〜公開後の改善まで一気通貫でサポート。
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2003年創業。大阪・東京を拠点にWEBシステム開発、WEB集客支援、人材事業、補助金コンサル等を行っています。
ただシステムを作るだけではなく『売れる仕組み』を創ることを意識して、クライアントの利益向上を追求します。
開発会社の選定代行やレベニューシェアでの開発も積極的に行っているので、まずはお気軽にお問い合わせください。