マッチングサイト運営は儲からない!?収入の仕組みと起業の注意点
マッチングサイトは、インターネットの普及により急速に広まってきたビジネスの一つです。
しかし、多くの人々がマッチングサイトを運営しようとするものの、なかなか収益を上げることができず、失敗に終わるケースも少なくありません。
本記事では、マッチングサイト運営の現状、収入の仕組み、成功事例、起業の注意点などについて詳しく探っていきます。
マッチングサイト運営の現状
現在、様々な種類のマッチングサイトが存在しています。
恋愛や結婚、仕事や趣味のパートナー探し、不動産や旅行の相手探しなど、様々な目的に応じたマッチングサイトが運営されています。
SNSの普及やスマートフォンの利用の増加により、多様なマッチングサイトが登場しています。
マッチングサイトの種類
マッチングサービスは、恋愛だけでなく、ビジネスや日常生活など様々な分野で利用されています。
以下に代表的なマッチングサービスを紹介します。
ビジネス系のマッチングサービス
ビジネス系のマッチングサービスは、副業や本業で働きたい人と新しく人材を雇いたい企業をつなげたり、仕事を外注したい企業と受注したい企業をつなげたりします。
業種や職種、働き方などによって異なる特徴を持つマッチングサービスが存在しているので、ユーザーは自分に合ったものを選ぶことができます。
日常で使えるサービス
日常生活で使われるマッチングサービスは、趣味やライフスタイルに合わせたものが多くあります。
食事や旅行、スポーツなどの分野が人気で、ユーザー同士が直接マッチングするものや、システムが自動で提案するものなど、さまざまな形態があります。
マッチングと聞いて多くの人が想定するであろう恋愛・結婚目的のマッチングアプリや、フリマアプリもここに該当します。
収入の仕組み
マッチングサイトの収入の仕組みは、主に以下の方法で得られます。
会員料金
基本的な機能は無料で提供し、より高度な機能や機能制限を解除するために有料会員になる仕組みです。
例えば、出会いを目的としたマッチングサービスでは、基本的な機能やメッセージ機能は無料で利用できますが、有料会員になることでより多くの人とコミュニケーションを取ることができたり、プロフィールが検索結果の上位に表示されるなどの特典があります。
マッチング成立の手数料
マッチングサイトの収益モデルとして最も一般的なのが、マッチングが成立した時点で設定された割合の費用を手数料として受け取るビジネスモデルです。
例えば、Airbnbというサービスでは、部屋を貸したい人がサイトに情報を登録し、宿泊したい旅行者は登録情報を検索します。合意が成立したら、部屋を貸す人が得た宿泊料金の一部をAirbnbに支払うことで契約が成立します。
このような仕組みで、Airbnbは収益を得ることができています。
掲載料
サイトに情報を掲載するために課金が必要なビジネスモデルです。
求人や不動産など、契約金額が大きいマッチングサイトに多い方法です。
ただし、利益が出るかわからない段階で出費が発生するため、成果が期待できないと判断したユーザーは掲載を止めてしまいます。
そのため、情報を掲載するユーザーの継続率を上げるためには、手厚いサポートを行い、マッチング成立を促進する努力が必要です。
ポイント購入
マッチングサイトのサービスのほとんどは無料で使えるものの、付加価値を加えることで課金を促すのが、ポイント購入のビジネスモデルです。
例えば、恋愛マッチングアプリでよく導入されている方法として、マッチングまでは無料ででき、相手とのメッセージのやり取りはポイント購入が必要といったシステムがあります。
このビジネスモデルでの成功の秘訣は、魅力的な付加価値を提供することにあります。
課金しなくても基本機能は使えるので、ユーザーにとって本当に必要で魅力的なサービスを提供することが重要です。
広告
アクティブユーザーが多く人気のあるマッチングサイトは、広告主にとって魅力的な広告媒体となります。
広告収入を得るには最低でも月間数万PVが必要とされることや、広告主の都合で大きく売上が減少する可能性があるため、安定した売上を期待することは難しいかもしれません。
しかし、企業や富裕層などの少人数でも使える金額が大きいユーザー向けのマッチングサイトであれば、閲覧数がそれほど多くなくても広告収入を得られる可能性があります。
広告費を払う価値のあるサイト作りが重要です。
確実に収益を得るなら、広告だけに頼らずマッチング成立の手数料や月額料金に基づくビジネスモデルがおすすめです。
マッチングサイトの成功事例
成功しているマッチングサイトは多くありますが、その中でも特に注目すべき成功事例をいくつか紹介します。
- マッチ.com
恋愛や結婚を目的とした会員制マッチングサイトで、数多くのカップルを生み出してきました。利用者の満足度が高く、口コミや評判も良いことから、会員数が急増しています。 - Airbnb
不動産の仲介を通じて、ユーザーが宿泊施設を提供することができるオープンなマッチングサイトです。
世界中で利用されており、多くの人々が宿泊先として利用しています。 - レバテックフリーランス
IT関連の仕事に特化したマッチングサイトで、企業とフリーランスエンジニアをつなげる役割を果たしています。
優れたエンジニアと優良な企業をマッチングさせることで、双方にとって有益な関係を築いています。
起業の注意点
マッチングサイトで起業するときには、以下のような注意点があります。
利益率を意識する
当然ですが、サービスが高額であればあるほど、利益も増加します。
安価で薄利多売が前提のサービスだと、売上は増えても利益率が上がらず、マッチングサイトの運営が難しくなる可能性があります。
同じ品質のサービスを他社よりも安く提供すればユーザーは増えやすくなりますが、価格競争になってしまうと消耗し、ビジネスを継続することが難しくなります。
安さで勝負するのではなく、高くても使ってもらえるサービスを提供することを考えましょう。
過剰なスペックはいらない
新規でマッチングサイトを立ち上げるなら、他社との差別化のためにも機能を豊富にして利便性を高めたくなりますが、起業したばかりのときは過剰なスペックにせず、スモールスタートにするのがおすすめです。
起業の失敗とは、成功や収益が見込めないビジネスに大きな投資をして回収できないことを指します。
ユーザーは必ずしもハイスペックで多機能なシステムを求めているわけではなく、最低限のスペックでもユーザーが満足するサービスを提供できる可能性は十分にあります。
最初は必要最小限のスペックで始め、軌道に乗ってきた際にバージョンアップしていけば良いのです。
マッチングサイト成功の秘訣
マッチングサイトの成功には、以下の要素が重要です。
集客
当然のようですが、マッチングサイトの成功には集客は最重要と言っても過言ではありません。
ユーザーが少ないマッチングサイトはマッチングできる可能性が低いため、利用する意味がないと判断されてしまいます。
マッチングサイトでは、『需要側の利用者』と『供給側の提供者』の双方の集客が必要ですが、最初はどちらか一方に重点を置いて集客する方が効果的です。
一般的に、供給側の集客を先行させることが成功への近道です。
提供できる価値を明確に示すことで、需要側の購買意欲を高めることができます。
見逃されやすい事業領域を狙う
新規でマッチングサイトを始める際は、広く浅くユーザーを取り込もうとするより、ニッチな市場を狙うことが成功には重要です。
広く浅く大きなマーケットは既に大手企業が参入していて、同等の資金力やブランド力がなければ後続では差別化することが難しいです。小さなマーケットでトップになるチャンスを見つけましょう。
規模が小さいほど失敗のリスクも小さく、軌道修正もしやすくなります。
ニッチな市場から始めて徐々に拡大していったり、横展開する方法もおすすめです。
サイトをしっかり作る
ビジネスの基本は、利用してもらったお客様に長く愛用してもらうことです。
細部まで配慮の行き届いたマッチングサイトを作りましょう。
ここで注意したいのは、必ずしもハイスペックで機能が多いマッチングサイトを作る必要はないということです。
コスト削減を意識しすぎるあまり不便なマッチングサイトになってしまっては本末転倒ですが、前述の通り、ユーザーにとって必要な機能さえ揃っていれば問題ありません。
それよりも表示が重くないことや、操作性が良いことの方が重要です。
予算の兼ね合いもあるため、最低限の機能を備えたパイロット版を作成し、ターゲット層に当てはまる利用者に使ってもらいながらヒアリングするのも良いでしょう。
本格的な運用がスタートするまでに、サイトの作りをあらゆる角度から検証して利用者が使いやすいサイトを目指しましょう。
ユーザビリティを意識する
ユーザビリティとは、ユーザーがウェブサイトやアプリを利用する際の使いやすさや利便性のことを指します。
使いやすいインターフェースは、ユーザーがサービスを継続して利用する動機になります。
わかりやすいUI/UXを提供するためには、以下のポイントに注目する必要があります。
- シンプルなデザイン: 無駄のないデザインや直感的なナビゲーションは、ユーザーにとってわかりやすく使いやすいものです。文字やアイコンの大きさや配置にも配慮しましょう。
- 使いやすい操作性: ユーザーが直感的に操作できるようなUIを提供しましょう。例えば、ボタンやリンクの配置を分かりやすくし、不要なクリックやスクロールを最小限に抑えることが重要です。
- 迅速な応答: ユーザーの操作に対して、迅速かつ正確に応答することは重要です。遅い読み込み時間やエラーメッセージの表示は、ユーザー体験を悪化させる可能性があります。
ストレスがないUI/UXを提供することで、ユーザーはサービスに満足し、長期間利用する可能性が高まります。
多くのユーザーがマッチングできるサイトを目指す
ごく一部のユーザーしかマッチングできないサイトではなく、多くのユーザーがマッチングできるサイトを目指すことで、市場の成長と収益の増加につながります。
「このサービスを利用すれば目的が達成できる」と思わせることにより、より多くのユーザーがサービスを利用するようになります。
ユーザーからの声を積極的に取り入れる
ユーザーからのフィードバックは、サービス改善の重要な指針となります。
レビューや問い合わせなどでユーザーの声を直接受け止め、それをサービスの改善に反映させることで、ユーザーの満足度が向上し、ロイヤリティも高まるでしょう。
ユーザーコミュニティを設ける
ユーザーコミュニティを作ると、ユーザー同士がお互いに繋がりを深め、サービスへの愛着が増します。
コミュニティの形成により、ユーザー同士の交流が生まれ、サービスへの参加意欲も高まります。
その結果、ユーザーはサービスに対して強い忠誠心を抱くようになります。
ユーザーコミュニティを立ち上げることで、ユーザー同士の結びつきが強まり、サービスへの関与が一層深まる効果が期待できます。
マッチングサイトで稼ぐうえでいらないこと
マッチングサイトで収益を上げるためには、以下のようなことは避けるべきです。
過剰な広告
広告収入を増やしたいあまり、過剰な広告を掲載してしまうと、サイトの信頼性が低下したり、ユーザーにとってストレスとなり、利用満足度が下がります。
収益を上げたいなら広告の掲載は有効ですが、適度なバランスを保つことが重要です。
不適切なマッチング
利用者同士のマッチングを適切に行うことも重要です。
マッチング率を上げたいがために条件を緩和しすぎてしまうと、ユーザーにとって不満やストレスとなり、せっかく獲得したユーザーの離脱に繋がったり、サイトの信頼性を下げてしまいます。
ターゲット層を広げすぎる
前述の通り、広く浅くユーザーを取り込もうとするより、ニッチな市場を狙うことが成功には重要です。
ユーザーを増やしたいからといって、ターゲット層を広げすぎるのは悪手です。
今までと違う層を取り込みたいなら、別のマッチングサイトを作り横展開することをおすすめします。
稼げるジャンルの探し方
マッチングサイトで収益を上げるためには、稼げるジャンルを見つけることが重要です。
以下の方法でジャンルを探すことができます。
市場調査
既存のマッチングサイトや類似サービスを調査し、需要のあるジャンルを把握することが重要です。
需要の高い分野や競合が少ない分野を見つけることができます。
ユーザーの声
前述の通り、利用者からのフィードバックを収集し、彼らのニーズや要望を把握することが重要です。
彼らが求めているサービスに合わせたマッチングサイトを提供することで、収益を上げることができます。
注意したいのは、ユーザーの「欲しい」と言っているものが必ずしも本当に求めているものではないということです。
下記は有名なマクドナルドの話ですが、ユーザーが「欲しい」と言っているものと本当に求めているものが一致しないことはよくあります。
ユーザーが言うことを鵜呑みにするのではなく、実際にユーザーがどういう行動をしているのかをよく分析しましょう。
多くの企業でもマーケティングリサーチとしてアンケートを実施していますが、この手法で消費者心理を捉えるのは難しいでしょう。それは、世界的企業であるマクドナルドでさえ同じです。
引用元:名だたる企業が「アンケート調査」に大失敗する訳 あのマクドナルドでも苦戦してきた | 経済学 | 東洋経済オンライン
マクドナルドと言えば、主力商品である、脂っこいハンバーガーやフライドポテトを手早く美味しく食べられるということで、1955年のフランチャイズ開始以来、急成長を遂げてきました。
しかし、時代は変わり、近年は「健康志向」の傾向が強まっています。マクドナルドが行ったアンケートでも例に漏れず、「もっと健康的なメニューも増やしてほしい」という声がたくさん挙がったそうです。そこでマクドナルドとしては、「消費者の求めるもの」を提供しようと、2013年、サイドメニューにサラダとフルーツを加えました。
お客さまの要望通り、世の中のヘルシー嗜好に合わせて、もっと幅広いメニューを提供しようとしたのです。
しかし、この戦略は裏目に出ました。マクドナルドが大規模なマーケティングを行ったにもかかわらず、実際顧客が買い求めていたのは「健康的なメニュー」ではなく「こってりした揚げ物、ファストフード」でした。
トレンドの把握
社会のトレンドや流行を把握することも重要です。
最新のトレンドに合わせたマッチングサイトを提供することで、需要を喚起し収益を上げることができます。
しかし前述の通り、大きな市場で広く浅く幅広い層を取り込もうとすると、既に大手企業が参入していたりすることが多いため、後発で同じことをしても『わざわざ利用する理由のないマッチングサイト』になってしまい、悪手です。
時代の流れを読むのは重要ですが、ターゲット層や方向性などの軸はぶれないようにしましょう。
まとめ
結論から言うと、マッチングサイトの運営は『儲からない』わけではなく、市場のリサーチや差別化をしっかり行えば収益性の高いマッチングサイトは今からでも作れるでしょう。
マッチングサイト運営を成功させるには、集客やユーザーの求めるものを反映させるなど課題は多くありますが、同時に多くのチャンスがある事業です。
これからマッチングサイトを運営したいと考えている方は、ぜひセルバにご相談ください。
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