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近年、「Wantedly(ウォンテッドリー)」という”ビジネスSNS”を通じて、学生の長期インターンシップを募集している企業が数多くあります。
今まで学校での学習やアルバイトの社会経験のみだった学生たちにとって、実務経験を積む絶好の機会として人気を集めています。
しかし、一方で「やりがい搾取」という言葉が浮上しており、「長期インターンが本当に価値があるのか」または「労働力の搾取に過ぎないのか」という議論が巻き起こっています。
本記事では、Wantedlyの長期インターンシップがやりがい搾取とされる理由とその実態について詳しく探っていきます。
長期インターンとは、1ヵ月~数年にわたって特定の企業に所属して賃金をもらって働くことを言います。
半日~2週間程度の短期インターンは基本的に無給で、新卒採用の一環として行われることも多いので、期間と給与の有無が最大の違いです。
じゃあ、アルバイトと長期インターンって何が違うの?
こんな疑問が浮かんできそうなので、アルバイトと長期インターンの違いを比べてみましょう。
長期インターン | アルバイト | |
働く目的 | 社会人としての実務スキルをつける | お金を稼ぐ |
仕事内容 | 責任の伴う仕事 | 責任を負う必要のない仕事が多い |
身につくスキル | 専門的なスキルやコミュニケーション能力 | マニュアル通りに働くスキル |
就職への影響 | 有利になりやすい | 特に影響はない |
このように、アルバイトと長期インターンでは、”働く目的”から違うので、内容や習得できるスキルが全然違ってきます。
もちろんアルバイトでも、責任をもって働いたり、専門的なスキルを身につける人もいますが、企業が採用活動を行う際に”どのように働いてもらいたいか”を考える上で明確な違いが出るため、スキルを身につけられるスピード感も違ってくるでしょう。
Wantedlyで募集されている求人は、基本的に企業と人が「共感」してマッチングするサービスです。
利用者数は400万人で、登録企業は40,000社。
中途採用や会社訪問がメインの「Wantedly Visit」と、インターン募集に特化した「Wantedly Intern」、社会での活躍を共有するSNS「Wantedly People」を運営しています。
そんな新たな視点でのプラットフォームで、どうして「やりがい搾取」が起こるのでしょうか?
このように、「Wantedlyはやりがい搾取の温床」と言われることもあるようです。
では一体どの部分が「やりがい搾取」だと感じるのでしょうか?
まずは「やりがい搾取」という言葉の定義から整理していきましょう。
まず、やりがいとはどのような意味か、見ていきます。
やり-がい【遣り甲斐】
〈名〉その物事をするだけの価値。それをするときの張り合い。しがい。
引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店
また、このような記述もあります。
そもそも「仕事に対するやりがい」というのは、業務を心から楽しむ気持ちや、与えられた役割を達成して充実感を感じることです。やりがいは仕事をするうえでのモチベーションを高め、個人の成長や継続力や企業の競争力も高める大事な要素ですが、賃金や賞与などのように形にはなりません。
引用元:ハタラクティブ
仕事をする中で、「楽しく働きたい」や「達成感を味わいたい」という気持ちで働きたいと考えている人は多いと思います。そんなやりがいを”搾取する”とは、どういうことでしょうか?
やりがい搾取とは、経営者が従業員の「やりがい」を利用して、低賃金や不当な長時間労働を強いて利益を搾取する行為のことです。従業員が自主的にやりがいを求めて働くのは良くても、やりがいを餌に雇用主が意図的に過剰労働をさせた場合は、ハラスメントとなり労働災害に発展することもあります。
引用元:ハタラクティブ
このように、「賃金が低い」、「長時間労働を強いられる」などが原因で、「やりがいを持って楽しく働きたい」という気持ちを削がれてしまうんですね。
実際、なぜこのように言われてしまうのか、Wantedlyで掲載されている求人募集を観察してみました。
すると、他の求人サイトと決定的に違う点を発見しました。それは、求人サイトで明記されなければいけないはずの「給与」や「待遇」などが記載されていないということ。
Wantedlyのコンセプト自体が「共感」を大切にしているので、条件面でのマッチングを防ぐために、見えないようにしているのでしょう。
あえて給与や待遇を伏せて、会社のビジョンや仕事内容に共感した人とマッチングするという方法は利点の一つではありますが、どのような実態でインターン生が働いているのかが見えないという点を悪用して「やりがい搾取」を行う企業がいることは容易に想像できます。
「Wantedly 炎上」で検索すると、さまざまな情報が流れてきました。
例えば2017年に”14時間勤務で日給8,000円だったエンジニアインターン”の記事を削除したことが話題となったり、人事担当者向けのインターン導入説明会で”学生に任せる案件”が存在することで学生をコマ扱いするように聞こえる内容のスライドがリリースされていたりしていました。
ここまでを振り返ると、Wantedlyでは数多くの長期インターンが募集されており、一部の企業で炎上するような事態が起きているようです。
しかし、掲載内容が”やりがい搾取に見える”だけで、全ての企業がやりがい搾取であるとは言えなさそうです。
では、長期インターンで実際に働いている学生にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
「インターンを経験することで就職に役立つのか?」や「インターンをやってみてよかったと思えたのか?」などを詳しく見ていきます。
長期インターンは有給であることがほとんどで、お金を稼ぎながら就活で必須の「ガクチカ」として話せる経験が積めるため、学生にとってメリットの多い働き方と言えます。
具体的にはどのようなメリットがあるのか解説します。
学生生活では、勉強やアルバイト、部活動などを経験し、学校を卒業すると同時に社会人生活がスタートします。社会人として生活していくスキルや経験は、学生の頃には学ぶ機会が少なく、社会人1~2年目にたくさんの壁にぶち当たる人も多くいます。そんな中、長期インターンで、アルバイトでは経験できない職種を経験したり、未経験の業種に飛び込むことができるので、それをしながら給料をもらえるのは長期インターンの最大のメリットとも言えるでしょう。
長期インターンを経験すると、経験していない学生よりも、就職することや社会人として働くことへの興味がとてもあるように感じられるため、採用面接などで企業に注目してもらいやすいポイントになります。
また、企業によっては、長期インターンを経験した後にそのまま正社員雇用となるケースや、インターンシップ自体が新卒採用面接の一部になっているケースもあるそうです。
どちらにしても、就職活動をする際に有利になりそうなので、やっていて損はない気がしますね。
一企業に所属するということは、業界のことを最前線で見れて、経験できる機会だとも言えます。ネットの情報や先輩から見聞きした情報とは別に、しっかりと体験して自分自身で見定められる機会でもあるので、この機会を利用して「就職で失敗した!」と社会人になってから後悔しないようにすることができます。
では逆に、長期インターンのデメリットはなんでしょうか?
これは、スケジュール管理の問題でもありますが、長期インターンに注力しすぎて学校の課題や勉強を十分にできない人もいます。インターンシップでがんばっていると、つい忘れがちですが、学生の本業は勉強。学校を卒業できないと、せっかくのインターンシップの意味がありません。インターンシップをしながらの学業は大変ですが、両立できれば「スケジュール管理ができる」と就職面接でも伝えられますし、経験値が上がって、逆にメリットにもなりそうですね。
これは、一部企業のことですが、前述した「Wantedlyで炎上した例」を挙げたように、悪いことを考える企業も実際いるのは事実です。
インターンシップ(以下、「インターンシップ」という。)については、「学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を経験すること)を行う活動(但し、学生の学修段階に応じて具体的内容は異なる)」と定義された。
引用元:インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方
上記のように、国が「インターンシップは学生への就業支援の一環」として定義しているので、「労働力」と考えることがそもそも間違っています。もし違和感を感じたならば、相談できる人や機関に一度相談するのがいいでしょう。
ちなみに、弊社でも長期インターンシップ生を募集しています。
入社後はメンターとなる先輩の監督・指導のもとで、簡単な修正作業から実務に携わり、WEBシステムの開発を経験していただきます。
実際に学生インターンとして経験し、正社員となった方のインタビュー記事もあるので、参考にぜひご覧くださいね。
このように、インターンシップを実際に経験していても、途中で辞める人はいるようです。
企業側に問題があり、途中でやめたほうがいい例はもちろんありますが、できることなら続けてみて、”しんどいことがあっても目標をもって頑張る力”を養えると、よりいい経験となりそうですね。
インターンシップとして働いたのに、採用してもらえないの!?
学生側からすると、このように不安になることがあると思いますが、実態はどうなのでしょうか?
結論から言うと、実際「採用につながらない・・・」と悩んでいるのは、多くの場合企業側です。
人材不足が深刻な世の中で、「インターン後に正社員になってほしいけど、なかなか応募に繋がっていない」「卒業後は正社員として働いてもらう前提で採用したのに、他に気になる企業を見つけたらそちらに行ってしまう」と嘆いている企業は多く存在します。
学生側はインターンシップの経験をしっかりと整理して、自分の強みとしてPRできれば、希望している企業への就職が叶う可能性が高いため、「インターンシップを経験したのに意味なかった……」となることはあまり心配しなくても良いでしょう。
もし希望企業の選考に落ちたとしても、インターンシップ経験を有効に使える学生はもっと自分に合った企業に出会えるはずなので、気落ちする必要はありません。
長期インターンシップについて詳しく見ていきました。
学生にとって、就職するということは人生の大きな決断だと思います。その分、とても不安が大きいと思います。
現在学生であるという絶好の機会に、インターンシップを経験してみて、自分のやりたいことを探す旅の一歩を踏み出しましょう。
「やりがい搾取」と感じる背景には、企業側と学生側のミスマッチに原因があるので、安易に入社を決めず給与や待遇はしっかり確認しましょう。
この機会にたくさんの企業を見て、自分に合う企業探しをしてみるのもいいのかもしれません。
弊社では、ミスマッチが起こらないように、面接でデメリットも伝え、しっかりと意思確認することを心がけています。
未経験や知識がなくてももちろん可能ですので、システムエンジニアの長期インターンをしてみたいという方は、ぜひご応募お待ちしています!
長期インターン情報
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広告営業→誌面編集→販売接客→マーケティングと様々な経歴を持つ1児の母。
子育てしながらも、自分の想像力を活かした仕事がしたいと、マーケティング未経験者ながらセルバに入社。
日々勉強しながら、SEO対策などに従事。