あえてダサくするというマーケティング手法が売れる理由

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「システム会社が多すぎて、何を基準に選べばいいのかわからない!」という方は、こちらの記事をご参考ください。

それでも「よくわからない……」という場合は、弊社セルバまでご相談ください。

現代のマーケティングにおいて、あえてダサくするという新しい手法が注目を浴びています。
従来の美的観点からすると「ダサい」とされるデザインが、なぜか消費者の心を捉えています

本記事では、あえてダサくするマーケティング手法がなぜ効果的であるのか、その理由と事例を具体的に探っていきます。

目次

ダサいとは?

ダサいの定義

ださ・い

〈形〉〔俗〕あかぬけしない。野暮ったい。

引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店

このように、「ダサい」と表現される言葉の定義は、”なんだか抜けているな”という印象を持ちます。

では反対に、「かっこいい」の定義とは何でしょうか。

かっこ‐い・い【かっこ 好い】

〈形〉姿や形、様式が(いかにも現代風で)優れていると感じさせるさま。体裁がいい。

引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店

この”いかにも現代風で”と書かれている部分にヒントがありそうです。

では、ダサいデザインをひも解く前に、まずはかっこいいデザインとは何かを見てみましょう。

かっこいいデザイン。ですが、さまざまな世界観があります。力強いもの、武道のような精神的な強さ、紳士的なもの、激しいもの、迎合しない、常に冷静沈着、シンプル、洗練、わびさび、ユーモラスさを持ったもの、可愛らしさを持ったもの、など、さまざまなものがあげられます。

力強いかっこよさ、のように1つの世界観の場合と、可愛らしさを持ったかっこよさのように2つ以上の世界観が複合する場合もあります。

出来上がったデザインを見た時に多くの方が、かっこいいと思えるデザインに仕上げることが大切です。

引用元:https://onodesign.co.jp/cool.html

これを読み解くと、”かっこいいデザイン”といっても、様々な世界観が存在していて、出来上がりを見た人や状況によって「かっこいいか・かっこよくないか」が決まりそうに感じます。

ということは、”今”かっこいいと思うかどうかによって見解が分かれるとも考えられますね。

こう考えると、先ほど取り上げた「かっこいい」の定義として”いかにも現代風で”とあえて書かれていることを取り上げて「ダサいデザイン」を定義すると、このように考えられるのではないでしょうか。

【ダサいデザインの定義】古風(レトロ)なデザインや流行遅れのスタイルを採用したデザイン

なんだか「ダサい」が映像化したような感じがしますね。

それと同時に「あ、確かにそういうデザイン最近多いよね」と共感していただける方も少なくないのではないでしょうか。

流行遅れや一昔前のデザインの再評価

「美しい」という感情は基本的に未来ではなく過去に根差していると思っています。ノスタルジーやなつかしさもフックになるに違いあいません。

技術とセンス、機能と装飾、未来と過去。

こんなふうに対になっている時代の間を、みんなが行ったり来たりしている気がします。

引用元:『センスは知識からはじまる』 著者・水野 学

この著書では、この文の前部分でいくつかの時代の流れを例に挙げて紹介されており、技術が発達して頭打ちになると、不思議と必ず一昔前へ時代の流れが振り戻されることが綴られています。

よくある例でいうと、80年代や90年代のファッションが流行ったり、あえて手書き風なフォントが流行ったりしますよね。

流行遅れや一昔前のデザインは、時間の流れが早く忙しい現代人にとって、ホッとできるようなノスタルジーすら感じさせるのかもしれません。

「ちょっとダサい」はインパクトになる?

ある記事を読んで「なるほど!」と思ったものがありました。

以下引用ですが、こちらは、著者が日本を代表するような会社の社長と一緒に、食事に行ったシーンでの出来事です。

「こういうラフなバッグに変えるだけで、硬い感じが消えるし、そのアイテムから話題が広がることも多く、いいことばかりなんだよ」と教えてくださいました。そして、付け加えるように「ほら、俺ってみんなから怖い人って思われているしね」とチャーミングに笑うんです。それだけで、親近感がグッとわき、ファンになってしまうのです。

引用元:『できる人ほど服装が野暮ったくなる深いワケ』・東洋経済

確かに、このギャップにはやられそうです。怖い人だと思って警戒していた人が、ペラペラのエコバッグを持ってにこやかに笑うなんて、仲良くなりたくなる要素しかありません(笑)

また、この本にはこのように書かれています。

集客活動をするオーナーに迫られている選択は「オシャレをとるか? 集客をとるか?」で、『オシャレ』を選んでしまうとオシャレ感度の高いお客さんは呼べるけど、一方で、自分のセンスに自信が持てないお客さんが離れてしまう。オシャレには「排除」の力学が働くわけだ。 

一方、『集客』を選ぶのであれば、「少しダサい」は受け入れなきゃいけない。

引用元:新・魔法のコンパス 著者・西野 亮廣

「ちょっとダサい」が親近感につながり、選ばれる要素になるということがわかりました。

インパクトを求めての商品・サービスづくりというよりは、親近感を持ってもらうための要素として、「ちょっとダサい」を取り入れてみるのがいいのかもしれませんね。

サブカルチャーとその影響

また、「かっこいい」が前述の引用のとおり”体裁がいい”だとすると、対になる言葉に「サブカルチャー」も出てきそうです。
続いては、サブカルチャーについても詳しく見ていきましょう。

「サブカルチャー」と「ダサい」の関係

サブカルチャー[Subculture]

〈名〉ある社会を支配する正統的・伝統的な文化に対し、その社会の特定の集団を担い手とする独特な文化。若者文化・大衆文化・都市文化など。下位文化。

引用元:明鏡国語辞典 第二版・大修館書店

このように、「かっこいい」が世間一般に親しまれる文化であると例えると、「サブカルチャー」はコアなファンが一定数いる文化と言えるかと思います。
そのため、サブカルチャー自体を「かっこいい」と思う人もいれば、「ダサい」と思う人もいるということです。

コアなターゲットを狙う手法

コアなターゲットを狙うことには、どんなメリットがあるのでしょうか?

売れる商品を企画したり、サイトの訪問者数を増やそうと思うと、まずすぐに思いつくのは”人気があるもの”だったり”万人受けするもの”だったりすると思います。

確かに、すでに人気があるものや万人受けするものは、とても作りやすくて「売れそうかも」と感じやすいかと思います。

しかし、それで実際に市場に出たとき、果たして「売れる」のでしょうか?

「売れる」サービスづくりに欠かせない考え方として、以下をご覧ください。

最初に米国の有名なコメディアンであったビル・コスビーの名言を紹介します。

「私は成功のカギというものはわからないが、失敗のカギは知っている。それは全ての人を喜ばせようとすることだ」

この言葉の意味するところがWHOの真髄です。ターゲットとなる消費者は選ばねばならないということです。

引用元:『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 ‐成功を引き寄せるマーケティング入門‐』 著者・森岡 毅

また、こうも綴られています。

私が行っているWHOの設定のやり方は、戦略ターゲット(Strategic Target)とコアターゲット(Core Target)の2つを明確に定めることです。(中略)

戦略ターゲットの外にいる消費者は、完全に捨てることを意味します。(中略)

また、コアターゲットの内側と外側を決めている違いが何であるかが明確でなければ、効率的にリーチすることができません。

引用元:『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 ‐成功を引き寄せるマーケティング入門‐』 著者・森岡 毅

こう見ていくと、売れる商品・サービスづくりは、いかにターゲット(マーケティング用語でいうペルソナ)をしっかりと定め、そこに刺さるものづくりを行う必要があるということがわかります。

また、別の著者も、このように綴っています。

どれだけ幅広い知識を得られるか? それらをどう融合させるか? 最終的にどれだけの精度でつくりあげられるか? この一連のプロセスこそ、デザインやブランディングに欠かせないものだと思います。

デザインは細部に宿る。

ブランドは細部に宿る。

引用元:『センスは知識からはじまる』 著者・水野 学

昔は、量産すれば売れる時代も確かに存在しました。しかし、モノがあふれるように存在する現代では、ターゲティングをしっかりと定めて細部にこだわったモノづくりができる人が、「売れる」ものを作り出せるのかもしれません。

あえてダサくするマーケティングの成功事例

では実際に、あえてダサくみせることで成功している事例を紹介します。

ダサいを売りにする「ダサいTシャツ屋さん」

引用元:「ダサいTシャツ屋さん」サイト

このサイトは、あえてダサく作られた衣類を提供する「ダサいTシャツ屋さん」。
このサイト内で「人気順」で商品を並べ替えたときに出てきたのがこちら。

絶妙にダサいです。このダサさが逆にかわいい(?)です。

もしかしたら、これをあまり良いものと感じない方もいらっしゃるかもしれませんが、このサービスがドンピシャに刺さるコアなターゲットは確実にいると言えるでしょう。

駅で見かける「ダサいフォント」

では、こちらをご覧ください。

そんな「駅の掲示物」に多用されているのが、「創英角ポップ体」というフォントです。これは「Microsoft Word」に標準で付属しているもので、(株)創英企画のオリジナル日本語フォントです。

ただ最近ネット上などでは、この創英角ポップ体が「ダサい」と話題になったりもしています。しかし駅の手作り掲示物として見ると、これがぜんぜんダサくない、むしろしっくりくる、効果的という意見もあるようです。

引用元:『「ダサい」とも言われるフォント「創英角ポップ体」 駅では効果的?』・乗りものニュース

ちなみに、「創英角ポップ体」というのはこのようなフォントのことです。

画像引用元:https://himmel-co.co.jp/font_jpn9

たしかに駅でよく見かける掲示は、ここでいう「ダサいフォント」ですね。

しかし、もし駅にやたらおしゃれな文字で「乗換場所への案内」や「駅スタンプはこちら」などと書かれていたらどうでしょう。読みにくいうえに、「なんか合わない」と感じる方も多いと思います。

駅のように、世代問わず利用する施設で、お知らせ内容を訴求したいターゲット層が広い場合には、「ダサい」が逆に「良い」と感じる要素だと言えます。

まとめ

ここまで「あえてダサくする」ことについて詳しく見ていきましたが、いかがでしたでしょうか?

「あえてダサくすることが流行っているからやってみたい」とか「ダサくしたら売れるんだ」ということではなく、商品やサービスのターゲットを考えるうえで「あえてダサくしたほうが刺さる場合がある」ということです。

サービスを提供するターゲット(ペルソナ)はどんな人なのか、そしてその人物はどんなコトやモノを好むのか。
しっかりとその人の立場になって考えて商品やサービスを生み出すことが、何よりも「売れる近道」なのではないでしょうか。

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U・Aのアバター U・A WEBマーケター

広告営業→誌面編集→販売接客→マーケティングと様々な経歴を持つ1児の母。
子育てしながらも、自分の想像力を活かした仕事がしたいと、マーケティング未経験者ながらセルバに入社。
日々勉強しながら、SEO対策などに従事。

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