システムの保守とは?費用の相場や必要性について解説

20年以上の実績があるシステム開発会社の視点で、システム開発会社の選び方や費用について解説しています。
「システム会社が多すぎて、何を基準に選べばいいのかわからない!」という方は、こちらの記事をご参考ください。

それでも「よくわからない……」という場合は、弊社セルバまでご相談ください。

こんにちは。セルバです。東京・大阪で20年、システム開発やWEB制作を行っています。

システムの開発を外注する際に無視できないのが「保守」ですが、意外と見落としがちな部分であり、思ったよりコストがかかってしまったということも珍しくありません。

保守は必ずしも必要なの?開発会社が儲けるために必要のない費用まで請求しているのでは?

という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんなクライアントにとっての疑問を解決します。

目次

システムの保守とは?

そもそもシステムの保守とは何かというと、システムが正常に稼働し続けるために必要な作業を指します。
具体的には、システムのバグ修正やセキュリティ対策、ハードウェアの交換やアップグレードなどが挙げられます。
このような保守作業は、システムの品質や信頼性を維持するために必要不可欠です。

また、システムの保守には定期的な保守作業と緊急時の対応があります。
定期的な保守作業には、定期点検やメンテナンス、アップデートなどが含まれます。
緊急時の対応には、システムの障害やセキュリティ侵害などが含まれます。

維持費という考え方

保守には当然費用がかかりますが、これはシステムやアプリの維持費と考えていただければわかりやすいのではないでしょうか。

例えば人間なら、健康を保つためには日頃から生活習慣に気をつけたり定期的に健診を受けて、調子が悪ければ病院で治療を受ける必要がありますよね。
栄養状態が良い食事を作るための食費や、運動するためのジム利用料、医療費はいわば維持費です。

システムやアプリは作って納品すればそれだけで正常に稼働するわけではなく、日頃から正常に稼働するための作業が必要になるということです。

保守の必要性

結論から言うと、保守とはシステムを正常に動かすために必要な作業なので、そのシステムやアプリが稼働している間はずっと必要ということになります。

保守を行わなければどうなるか

そもそも、保守をしなくても正常に稼働するように開発するべきでは?

クライアント側からするとそう思う気持ちはわかりますが、もし保守を行わなければどうなるのでしょうか。

システムやアプリを開発する際、正常に稼働するかどうかのテストは当然行いますが、実際にリリースしてみないと発見できない不具合もあります。
これは、同時に多くのユーザーが利用することで初めて表面化する不具合などもあるからです。

リリースしたアプリやWebサイトに問題があれば、ユーザーの不満が高まり、せっかく獲得したユーザーが離れてしまいます。
BtoBのような社内システムに問題があればメンバーの生産性が落ち、BtoCのような顧客がいるシステムに問題があれば直接的な売上につながります。

自社の信用を守るためにも、保守が必要になるのです。

保守費用の相場と内訳

「アプリやシステムを稼働している間は保守が必要になる」ということはおわかりいただけたと思いますが、その保守費用の相場はいくらになるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

大前提として、要望や案件によって変動しますが、結論から言うと保守費用の相場は年間で開発費用の15%です。
例えばシステム開発に1,000万円かかった場合、年間で150万円かかります。保守費用は一般的に月額で支払われることが多いため、月額125,000円を開発会社に支払う必要があります。

そんな保守費用の内訳はどうなっているのか、解説していきます。

ハードウェア保守

ハードウェア保守とは、システムを構成するハードウェアの保守を指します。
具体的には、サーバーやネットワーク機器、PCなどのハードウェアの点検、修理、交換などが含まれます。

ハードウェアは、ソフトウェアと同様に正常に動作するために必要な要素の一つです。
ハードウェアの故障によってシステムがダウンすることは、企業にとって大きな損失につながるため、正常に稼働するためにはハードウェア保守も欠かせません。

ソフトウェア保守

ソフトウェア保守とは、システムのバグ修正やセキュリティ対策、アップデートなどの作業を指します。
これらの作業は、システムの品質や信頼性を維持するために必要不可欠です。

ソフトウェア保守には、定期的な保守作業と緊急時の対応があります。
定期的な保守作業には、定期点検やメンテナンス、アップデートなどが含まれます。緊急時の対応には、システムの障害やセキュリティ侵害などが含まれます。

サービス委託

厳密に言うとシステムの保守とは違いますが、集客や顧客対応などのサービスも開発会社に委託する場合、その費用も追加でかかります。
開発会社によって対応可能な内容や範囲が違う上、費用も完全成果報酬であったり月額であったりと大きく変わります。

こちらは自社で行えば費用はかかりません。
またシステムの保守と違い、必ずしも開発会社に依頼する必要はありませんので、「自社で行うリソースはないけど費用を抑えたい」という場合、個人事業主に依頼するという手もあります。

保守費用の妥当性を見極める適正稼働率とは?

開発だけでも高い費用を払っているのに、追加で費用がかかるのは納得いかない。

保守だけで開発費用の15%は高すぎるのでは?

そう思われた場合、下記の指標を基に適正稼働率を算出できます。
適性稼働率が低かった場合、保守費用の減額を交渉することでコスト削減に繋げることができます。

  • 即答率
  • 引受率
  • 保守時間達成率
  • 納期達成率

ただし、あくまで指標の一つのため、これらの数値が低かったからと言って必ずしも保守費用が妥当でないとは限りません。
費用のことで後々トラブルにならないために、これらの指標についても契約前に話し合っておくことをおすすめします。

【即答率】即答件数÷相談件数

すべての相談のうち、どのくらいの割合で迅速に回答してもらえたかを算出します。

相談してからいつまでを「即答」とするかは開発会社との話し合い次第ですが、即答率が高い場合は作業を怠っているとは考えにくく、保守費用は妥当であるという考え方です。

【引受率】引受件数÷相談件数

すべての相談のうち、どのくらいの割合で対応を引き受けてもらえたかを算出します。

開発会社のリソースも限られているため、いただいた相談のうちすべてに対応することが難しい場合があります。
しかし引受率が低く、ユーザーからの不満が噴出している等の損害が出ているなら、保守費用が妥当でないと減額を交渉できるでしょう。

【保守時間達成率】実績時間÷見積もり時間

あらかじめ見積もられた保守時間と、実際の保守時間にどのくらい乖離があるかを算出します。

しかし、リリースから時間が経って安定して稼働できるようになるほど、開発会社に相談することも減り、保守時間達成率は低くなる傾向があります。
短期間で判断せず、ある程度長期間で算出する必要があります。

【納期達成率】納期達成件数÷引受件数

開発会社が対応を引き受けた相談のうち、納期が達成されたものの割合を算出します。

納期達成率が低い場合、作業を怠っていると判断して保守費用の減額を交渉できるでしょう。
しかし、納期達成率の低さを理由にして保守費用の減額を交渉する場合、そもそも設定した納期に無理がないことが前提となります。

システムの保守費用を削減する方法4つ

システムの保守費用を削減したいなら、現実的な方法としては下記の4つです。

  • 定期的に費用対効果の見直しを行う
  • クラウド化する
  • 自社で専門知識のあるエンジニアを雇う
  • レベニューシェアで契約する

定期的に費用対効果の見直しを行う

保守契約は期間が決まっているので、費用を削減したいのであれば、更新のタイミングで委託内容の見直しを行うことをおすすめします。
保守作業として依頼していたものの、自社で対応可能だった、または可能になったという場合もあるでしょう。

クラウド化する

クラウド化とは、自社で保有しているサーバーなどのハードウェアを、インターネットを通じて外部の事業者のクラウドサービスに移行することを指します。

例えば、自社内に保有していたサーバーを外部のクラウドサービスのサーバーに置き換えることで、自社でサーバーを運用する必要がなくなり、運用コストの削減や拡張性の向上などのメリットが得られます。
クラウドサービスのデータセンター内で常に監視されており、セキュリティも高いため、セキュリティリスクの低減も期待できます。

一方で、クラウド化にはデータのやり取りがインターネットを通じて行われるため、通信速度やネットワークの安定性に依存するというデメリットもあります。

自社で専門知識のあるエンジニアを雇う

システムやアプリを開発会社に依頼して作ってもらう場合、自社のエンジニアが不在だったり、エンジニアがいてもリソースが足りなかったりすることが多いと思います。
開発会社の対応が遅いという理由で保守費用が高いと感じている場合、自社で専門知識のあるエンジニアを雇ってシステムの保守を任せることで、「いつ対応してもらえるのかわからない」という不安は解消できます。

しかし、専門知識と技術力があるエンジニアでも、他の担当者が作ったシステムの改修には時間がかかることがあるため、必ずしもコスト削減にはならないことがあります。

レベニューシェアで契約する

レベニューシェアとは、開発費用の一部を開発会社に負担してもらう代わりに売上をシェアする契約のことです。わかりやすく言うと共同事業という形です。
開発会社との話し合い次第になりますが、売上の一部を支払う代わりに保守を無償で行ってもらえる場合があります。

しかし一方で、開発会社側からもマーケティングや収益化の方法について意見を出すため、意思決定に関して衝突が起こったり、リリース後の売上を全て自社のものにできない等のデメリットもあります。

弊社セルバでは、レベニューシェアでの開発にも力を入れています。
レベニューシェアに興味がある方は、お気軽にご相談ください!

まとめ

  • システムやアプリの開発を依頼するなら、そのシステムが稼働している間は保守が必要。
  • 保守費用の相場は年間で開発費用の15%。
  • 開発会社の作業量に対して保守費用が高すぎると感じた場合は、適正稼働率を算出して減額を交渉する手もある。
  • 開発会社側の負担を減らしたり、共同事業にすることで保守費用を削減できる。

弊社セルバでは、3年や5年など長期にわたって保守契約いただいているクライアントが多いです。
保守契約について、不安なことや疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。

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株式会社セルバのアバター 株式会社セルバ WEBシステム開発会社

2003年創業。大阪・東京を拠点にWEBシステム開発、WEB集客支援、人材事業、補助金コンサル等を行っています。
ただシステムを作るだけではなく『売れる仕組み』を創ることを意識して、クライアントの利益向上を追求します。
開発会社の選定代行やレベニューシェアでの開発も積極的に行っているので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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